ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

表現力不足と悩んでいたら・・・ 

 

有名絵画 モディリアーニ「肩をあらわにしたジャンヌ・エビュテルヌ」有名絵画 モディリアーニ「肩をあらわにしたジャンヌ・エビュテルヌ」
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絵画販売のグローバルアートギャラリー南青山

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ここリヴォルノは画家のモディリアーニの誕生した街。生家も残っている。リヴォルノは小さな港町だ。モディリアーニは、この地で芸術に目覚め、そしてパリに渡った。生存中は、あまり認められていなかった。非常に退廃的な生活をしていた画家。身体も弱かった。なのに、アルコールに溺れ、薬に溺れた・・・

「短くてもいい、充実した人生を・・・」モディリアーニの言葉だ。この絵画のモデルは、妻のジャンヌ・エビュテルヌの肖像。ジャンヌが画学生の時、二人は知り合い、そして恋に落ちた。ジャンヌが19歳の時だ。ジャンヌはモディリアーニの妻、そしてモデルとなった。

モディリアーニの最後の言葉、それは「ああ、懐かしいイタリア・・・」だったと言う。遠いパリという街で、彼は故郷を想いながら死んでいった。36歳の時だ。その時、彼の脳裏に浮かんだのは、このリヴォルノの街だったのかな・・・などとも思う。

モディリアーニの死、その2日後、ジャンヌは投身自殺をする。最愛の人を追ったのだ。ジャンヌは、まだ21歳だった。

リヴォルノは作曲家、マスカーニの生まれた街でもある。声楽家にとってはお馴染みの人だけれど、ピアノ弾きには、かなり遠い人かもしれない。「マスカーニって誰?」みたいな・・・

話は突然変わるけれど、「コレペティトール」という職業がある。アメリカでは「レペティトール」と呼ばれていたと記憶している。歌劇場には専属のコレペティが存在している。そしてコレペティの人は、音楽院で教えたり、声楽のリサイタルでピアノを弾いたりする。もちろん、歌劇場でオペラ、バレエ上演に際しての下稽古にも欠かせない存在でもある。

「なんだ・・・リハーサルの伴奏ピアニストね・・・」

どうも、日本だとこのような感覚を持つ人が残念ながら多いような気がする。コレペティは伴奏をするだけではなく、歌手への音楽的な指導、アドバイスをも担うのだ。コレペティ出身の指揮者、調べてみると、とても多い。ピアニストだと、リヒテルなんかもそうだったよね、たしか。単なる伴奏弾きというよりは、音楽の総合的なアドバイザーなのだ。

実際には、裏方的な役割になるので、表舞台に出てくることはない。ソリストとは異なり、脚光を浴びて、拍手に包まれるという存在ではない。

実際にコレペティの存在を感じることのできる機会は、声楽のリサイタル。むろん、すべてのピアニスト(伴奏者という言葉は少し違うと思う)がコレペティではない。普段はソリストのピアニストに、その時だけ共演を頼むというケースもあるし、その方が多いとも思うが、意外とコレペティが共演していることもある。

ピアノの人は声楽のリサイタルなんか、あまり聴きに行かないのかもしれないが、これは非常に勿体ないことだと思う。歌はどうでもいい(?)のだ。コレペティを聴きに行くのだ。コレペティ目的の声楽リサイタル・・・

表現力が足りない、ただ弾いてしまう、自分の演奏って、なんだか棒弾きのよう・・・

このような悩みを持つピアノ弾きは多い。普通は普通の(?)ピアニストの演奏、CDを参考にしたりする。そのような場合、コレペティの演奏を聴くと、とても参考になるのだ。もちろん、スタンダードのピアノ曲を演奏するということはコレペティの場合は少ないと思うけれど、いわゆる「伴奏」というピアノ、これがコレペティの場合は素晴らしいことが多い。なにしろ、声楽家に音楽(発声ではなく)を指導する立場の人の演奏なのだ。

コレペティのピアノ、とにかく「歌う、歌う、歌う、歌う・・・」のだ。

総合的に音楽を理解し、初見、移調、アナリーゼ能力に長けていて、そして言語にも精通する・・・それがコレペティなのだ。「ピアノで歌う」とか「音楽的な表現」とか・・・そのようなところを苦手としている人は、「とにかく弾けるようになってから考える」なんて思わずに声楽のリサイタル、いや、コレペティの演奏を聴いてみてはどうだろう?

この演奏は、コレペティがソロを演奏会で弾いている貴重なケース。もっとも、ショパンやらリストを弾いているわけではないけれど。彼が弾いているのはマスカーニ・・・

kaz



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category: ピアニスト

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コメント

 

お邪魔します。

マスカーニの演奏聴きました。
もう、シビレてしまった。
10回以上も連続して聴いて、私もこんな風に弾きたい!と早速楽譜を買って来ました。
全音ピースでしか見つける事はできませんでしたが。
kaz様、動画の紹介をありがとうございます。

コレペティの仕事内容など初めて知りました。勉強になります。
この方の他の演奏、ショパンやリストも是非聴いてみたいですね。

kaz様、この動画を私のブログでも紹介させて頂いてもよろしいでしょうか?
宜しくお願い致します。

ひさへ #- | URL | 2014/06/21 07:00 | edit

ひさへさま

とても素晴らしい演奏ですよね、この方はアキッレ・ランポというイタリアの方です。コレペティとして、そして声楽家の共演者として来日も多いのではないかと思います。

聴いていて思うのですが、「さぁ、弾くのだ・・・」と構えてしまうところが一切なく、ピアノを弾くということは、それが目的ではなく、自分の音楽を表現する手段の一つなのだという、その自然発生的なところがいいなと思います。

ブログへの紹介、ぜひよろしくお願いします。

kaz #- | URL | 2014/06/21 07:39 | edit

kaz様、ありがとうございます!

最新記事も読ませて頂きました。
もちろん彼の動画も見ました。

来日する事もあるのですね。
これからはピアノ伴奏者も要チェックです。

ひさへ #- | URL | 2014/06/21 15:51 | edit

ひさへさま

ピアノが好きで、ピアニストになった・・・

歌が好きで、オペラ歌手になった・・・

コレペティの方(声楽に限って考えれば)は、ピアノが好き、でも歌は、さらに好き、だからコレペティになった・・・

彼らは、「ピアノを弾く」ではないのですね。「ピアノで歌う」「ピアノで表現する」・・・

自分の表現手段が、たまたま「ピアノという楽器」というだけなんですね、おそらく・・・

kaz #- | URL | 2014/06/21 23:01 | edit

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