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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

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天才の法則が流行を作る 

 

僕はクライスラーが好き、ハイフェッツが好き。ホロヴィッツやチェルカスキーも好き。ホフマンやローゼンタール、フリードマンの演奏に惹かれる。「ああ、100年前に戻って彼らの演奏を聴いてみたい」と願う人間だ。現代よりは、昔のロマンティックな演奏に惹かれる。

現代はザハリヒな傾向にあると思う。原典主義というのだろうか?演奏家が全面に出るよりも、作品の本質に迫る。演奏家はカリスマ性を持った天才ではなく、どこか音楽の下僕。作品に忠実に、作曲家の意図からそれないように・・・

どちらを好むか、それは人それぞれということなのだろう。でも演奏スタイルって流行のような側面もあるのではないか?「えっ?崇高なクラシック作品の演奏に流行?」

ややもすると、ローゼンタールやクライスラーのような演奏が100年前は溢れていたのではないかという錯覚を持つ。そうではなかったはずなのだ。残念ながら、天才っていつの時代も、1パーセントという割合だったのでは?残りの99パーセントの演奏家は、凡庸・・・とまではいかなくても、優秀で立派ぐらい。天才とまではいかない。100年前のロマンティックな時代、99パーセントの演奏家はどのような演奏をしていたのだろう?おそらく、過度にロマンティックというか、勝手気まま、時には作品の本質さえ湾曲させてしまうほどの自己表現。このような演奏も多かったのではないかと想像する。聴衆はそのような演奏に飽きてくる。「ゴテゴテと飾り立てた演奏ではなく、作品の素晴らしさを直に感じたい。作品を感じたい」と。

そのような聴衆の欲求、さらに経済、産業など諸要素が重なり、演奏スタイルはザハリヒなものに変わっていったのではないか?研究が進んだということもあるだろうしね。

ザハリヒな現代、やはり天才は1パーセント。残りの99パーセントの普通の、あるいは、ただの優秀な演奏家は研究成果というか努力結果というか、楽譜が視覚的に浮かんでくるような演奏をするようになった。聴衆はそのような演奏に飽きてくる。「立派とか、そのような演奏ではなく、もっと心の琴線に触れてくるような、生々しいまでの情熱が聴きたい。生きている人間そのものの心の告白のような、そんな演奏が聴きたい。作品の忠実な再現だけでは心が動かない。もっと感動したい」

現代にもスターは存在する、実に素晴らしい演奏をする。でもホロヴィッツではない。ハイフェッツでもない。一音聴いただけで認識できるような、強い個性に欠ける。実に優秀なんだけれど・・・

またロマンティックな時代になっていくのかもしれない。でも天才は1パーセント。また100年後はザハリヒな演奏が主流になっているかもしれない。そう、流行は繰り返されていく・・・

ロマンティックな時代、演奏家たちは作曲をしたり、編曲をしたりするのが普通だった。ザハリヒな時代というよりは、どこか演奏家たちもコンペティティヴな方向に無意識に向いてしまう時代になると、悠長に作品を書いたりする余裕さえなくなってくる。「技術を磨くのだ。メジャーなコンクールで入賞しなければ、演奏そのものができないのだから。人より速く、人より強く・・・」というわけでもないのだろうが、現代は音楽史上まれな、演奏と作曲との完全分業制の時代になった。弾きこなすという意味で専門性が追及されるようになったのかもしれないが、どこか味気ないような時代にも感じる。

アキッレ・シモネッティというヴァイオリニストがいた。1857年生まれ、亡くなったのが1928年。まさにロマンティックな時代のヴァイオリニスト。当然作曲もした。パガニーニの愛弟子、カミロ・シヴォリに習ったとか、そのような史実よりも、魅力的なヴァイオリンの小品、「マドリガル」を聴くと、当時のロマンティックな時代を想い、その時代に生きてもいないのに、どこか懐かしいような、そんな気持ちになってくる。演奏会のアンコール、シモネッティは「マドリガル」を弾いたのだろう。その魅惑的でロマンティックな魅力に人々は酔いしれたのだろう。自分が抱え込んでいる感情と共感させながら・・・

現代の異端児、ギトリスの演奏を聴くと、やはり100年前に戻ってみたいなどと思う。一度でいいから・・・そしてその時代の天才を聴いてみたいと思う。

kaz




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