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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

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私を救ったショパンのバラード 

 

ある曲を、ある演奏会で弾こうと決意する。楽譜を出して練習を始める。難所が沢山だ・・・弾けるだろうか?・・・間に合うだろうか?

しかるべき技術を習得し、その技を使わなければ人には伝わらない。やはり弾けない箇所は弾けるようにしたい。本番ではミスは少なくしたい。徐々に曲と出逢った時の感動よりは、心配、不安が大きくなってくる。そして弾けたか、弾けなかったかの世界に突入してしまう。自分の出来栄えに一喜一憂。反省し、次回こそは弾けるようにと強く思う。

伝えたいもの、その曲を弾こうと感じた心の奥底にある動機のようなもの、自分が感動したものが薄れてきてしまっても気づかなくなる。ミスなく、無難に弾こうとすることに消されていってしまう。

音楽って、心の隙間にスッと入り込んでくる。人それぞれの人生の場面を代弁してくれているように感じる瞬間。その時、人はその曲を再現してみたいと思う。もしかしたら、演奏をするということは、自分自身の出来栄えに一喜一憂するよりも、もっと大切なことがあるのかもしれない。こんなこと書くと「アマチュアって気楽でいいね」と言われそうだが・・・

昔、NHKで「私を救ったショパンのバラード」という番組が放送された。タイトルについては、これでいいのか記憶が曖昧なところもあるが、たしかイギリスのBBCが制作したドキュメンタリー番組だったように思う。

二人の若者とショパンのバラード第1番・・・

東日本大震災を経験した少女、すべてを失ってしまう。なにもかもを亡くしてしまった時、彼女はショパンのバラードの1番を練習する。弾くことで、練習することで、失った何かを取り戻していく・・・

イギリスに住む青年。彼はショパンのバラードの1番を弾きたくて、独学でピアノを始めた。上達し音楽院に入学するまでになる。その彼を襲ったのが脳腫瘍。全身マヒ、失明、記憶喪失・・・

医師も含め誰もが回復は絶望的と判断した。生きているだけでも奇跡なのだと。でも父親だけは違った。ショパンのバラードを聴かせ続けた。そして奇跡の回復・・・

さらに追い打ちのように回復しつつある青年を再び不幸が襲う。多発性硬化症・・・そして右半身不随となる。左半身が無事だったのは幸運と言えるだろうか?その青年は残された左手だけでショパンのバラードを弾こうとする。自分で編曲して・・・

音楽というものは、人の生き方さえ変えてしまうこともある。それほど深く入り込んでしまうこともある。

生きること、感じることにアマチュアもプロもない。初級者とか上級者もない・・・

このドキュメンタリー番組でショパンのバラードを演奏していたのがスティーヴン・ハフ。個人的には、この演奏、理想的な演奏に感じる。特に奏法という点で参考になる。移動が機敏で、弾く瞬間に必ず準備がある。狙って弾いているというのかな?

本番でドレミをドレレと弾いてしまった。心理的ショックは大きい。でも聴き手はそんなことは気にしない。ミスを数えながら聴いているわけではない。何を聴きたいのかな・・・

演奏している人を、かつて動かした動機、入り込んできたであろう人生の一コマ、そんなものを共有してみたいと思う。

kaz




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