FC2ブログ

ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

「眠れる森の美女によるパラフレーズ」 

 

スティーヴンは将来を期待されていた。スティーヴン自身も自分のピアノには特別な何かがあるのを自覚していた。でも周囲の人がピアノ、ピアノと言うのにも違和感を感じていた。「たしかにピアノは好きだ。ピアノを弾くことが仕事になるかもしれないとも思う。でも僕はピアノが好きなんじゃない。美しく、胸が焦がれるような、キラキラしたものが好きなんだ」

かつて映画館で観たディズニー映画「眠れる森の美女」を想い出す。「僕は素敵なおとぎ話が好きだ。フィリップ王子と踊るオーロラ姫が好きだ」

ロンドンでバレエ「眠れる森の美女」も鑑賞した。「ああ、なんて素敵なんだ。なんてキラキラした世界なんだろう・・・」

スティーヴンは自分の胸の高まりを周囲には決して悟られてはいけないと思った。「キラキラした世界が好きなんだ。オーロラ姫のティアラのようにキラキラした世界が好き」

そのことを公言することは、当時のイギリスの小さなホイレイクという街では、孤立することを意味した。他の男の子と同じように、、サッカーが好きだ・・・そう言った。「でも本当は違うんだ・・・」本当の自分というものを胸の中にしまいこんだ。生きていくために・・・

疑問に思う。素敵と感じたもの、自分が大切にしたいもの、何故隠さなけれないけないのだろう?何故人と共有してはいけないのだろう?早い時期からスティーヴンは自分がゲイであることを自覚していた。もちろん他人には絶対に知られていけないことだと思っていた。親にさえも・・・

自分を肯定したい、キラキラした世界が好きな自分を、自分で認めたい。ゲイであることに誇りを感じたい・・・

スティーヴンはゲイであることを公にした。オープンリー・ゲイのクラシックピアニストとして世界に知られるようになった。

かつて観た「眠れる森の美女」の世界、華憐なオーロラ姫、キラキラした世界、永遠の愛を誓うフィリップ王子・・・この世界を音楽家として、音にしてみたいとスティーヴンは思った。パウル・パヴストがこのバレエ音楽のパラフレーズを残している。

ロシアンスクールへのオマージュ、そのような意味もあった。そして、かつて憧れたキラキラした世界を自分なりに、パヴスト版に加えてみようと思った。かつては憧れを隠していた。それを盛り込んでみよう・・・

チャイコフスキー~パウル・パヴスト~スティーヴン・ハフの「眠れる森の美女によるパラフレーズ」は超絶技巧満載の曲になった。それよりも、スティーヴン少年のキラキラした世界への憧れが盛り込まれた、オーロラ姫の宝石のような、キラキラと光り輝くパラフレーズに生まれ変わった。この曲にゲイとしてのスティーヴンの誇りを感じる。

kaz






にほんブログ村


ピアノランキング
スポンサーサイト



category: リサイタル 2018

tb: --   cm: 0

△top

コメント

 

△top

コメントの投稿

 

Secret

△top