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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

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4月にパリで・・・ 

 

「4月・・・春の訪れだ」アレクシスはリュクサンブール公園のベンチに座りながらそう思った。

今まで過去を忘れようとしていた。そして自分が今、美しいパリで生きていることを思った。「自分だけ・・・」そう思っていた。過去を忘れることなんてできない。強制収容所での異様な静けさ、静けさの中から聞こえてきたすすり泣き、微かに聞こえる歌声。すすり泣きも歌声も途絶えることはなかった。静寂も途絶えることはなかった。忘れようとした。記憶から消そうとした。でもできなかった。

「小僧、シューベルト弾いてくれるか?」僕は叔母の形見のアコーディオンでシューベルトを弾いた。「小僧、上手いじゃないか」看守はそう言った。アコーディオンが弾けたから僕は生き延びることができたのかもしれない。ドイツ人のあの看守は今どうしているのだろう?

ある日彼は駅まで連れていってくれた。僕を汽車に乗せてくれた。「これに入っていなさい」大きな段ボール箱だった。「これも一緒に」彼はアコーディオンも段ボール箱に入れてくれた。そして最後にこう言った。

「幸運を・・・」と。

「シャルル・トレネのシャンソンそのままの風景だ」アレクシスはそう思った。過去は忘れられない。だったらこのまま持っていこう。リュクサンブール公園のこの風景、4月のパリ、この風景も過去のものになっていく。一緒に持っていこう。それでいいじゃないか。

4月にパリで・・・アレクシスはそう思った。

「4月にパリで」

♪ 4月にパリが目覚める 太陽が戻ってくる  
   春が始まる・・・

   国中の人々が、ときめく恋にそそられて
   フランスは歌い、笑う
   4月にパリで・・・

   サン=ミシェルでセーヌは過去の苦しみを忘れる
   リュクサンブール公園の真ん中で小鳥たちは愛を歌う
   素敵じゃないか!
   キスしたり、されたりしたいと思うなんて・・・

アレクシスはフランスの市民権を得た。ブルガリア系フランス人として生きていくことを決めた。

4月にパリで・・・

kaz




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