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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

自分も教師 1955年 「ユール・ネヴァー・ノウ」 

 

初歩からスタートして徐々に難しい曲を弾けるようにしていく。ある特定の曲を練習していく。初めは譜読み状態。でも通せるようにはなっていく。でもなんだか音楽的に弾けてはいない。いつもそう、人前で弾くとミスばかりになってしまうし、それ以前に表現というものがつかない。あんなに練習したのに。才能とか感性がないのかな?いつも不満だ。

でも、まずはきちんと弾けてもいないのに、音楽性とか、そんなこと早いのかな?でも練習しても練習しても上手くならない。パッセージそのものは弾けてくる。でも・・・

そのためにレッスンに通っているのだと思う。音源を聴いたり、書籍を読んだりもする。それは上手くなりたいから。チャラチャラ弾けるようになるだけじゃなく、自分だって人の心を動かす演奏がしたい。アマチュアだからとか、専門教育を受けていないからとか、ブランクがあるからとか、基礎がないからとか、そうではあっても、できれば音楽的な表現を伴って、人の心を動かすような演奏がしたい・・・

練習する、レッスンに通う、本や音源で研究する→上手くなる

自分はどこへ?自分の理想のサウンド。いつ再現できるか分からないし、できないかもしれないけれど、明確な理想サウンドは頭の中に鳴っているだろうか?最大のお手本、それは自分の中の理想サウンドではないだろうか?自分の持っている架空、妄想サウンド、絶対に自分の指では無理と感じるかもしれないが、頭の中だけだったら?

音楽的に弾けない・・・まず自分の理想サウンドがあるだろうか?そこを端折ってはいないだろうか?「いつか弾けてから」ではない。その理想サウンドが、その曲を弾かせているんじゃない?理想サウンドを確認せずに視覚的な譜読みを始めてない?

ディック・ヘイムズという往年の歌手がいる。1940年代、一世を風靡した歌手。柔らかでメロウな歌声で人気があったらしい。そのディック・ヘイムズが1955年に「Rain or Shine」というアルバムを発売した。名曲「ユール・ネヴァー・ノウ」も収録されている。これ以上切なく、哀しく歌うことなんてできるのだろうか・・・そんな歌声だ。

バーブラ・ストライサンドの少女時代、それは幸せ一杯というものでもなかったようだ。「あんたは器量がよくないねぇ・・・女優?バカなこと言ってるんじゃないよ」母親は自分を認めてくれることなんてなかった。「私ってそんなに魅力ない?少しはいいところもあるんじゃない?」

「あのルイスという男、大嫌い。この家から出ていけばいいのに。もう少し大きくなったら私が出ていくんだ」ルイスとはバーブラの義父。この男はバーブラに精神的虐待を与え続けたとされている。

想像の世界、鏡の世界は現実からの逃避になった。薄汚れた場末のブロンクスのアパートではなく、鏡の向こうは素敵な世界。バーブラは鏡に向かって演技をした。王女様、幸せな少女、そこでは何でも手に入った。鏡の中の演技している自分は不幸な少女ではなかった。「私の演技も捨てたもんじゃないかも?」

レコードを聴いて、自分の頭の中に理想サウンドを作った。そして実際に壁に向かってラブソングなどを歌ってみた。「恋とか愛とか、まだ知らないけど、私の歌って捨てたもんじゃないかも?」

演技も歌も誰に習ったわけではない。自分がいいな・・・と感じた要素をインプットしておくのだ。いつでも頭の中で再現できるようにしておく。だって現実の世界はこんなに醜いんだもの。切なく歌いたい。切ないサウンド、理想のサウンド、それを自分は追うのだ。誰も教えてなんてくれないから、自分で追うの。頭の中のサウンドを・・・

1955年、12月29日、バーブラは「ユール・ネヴァー・ノウ」を録音してみた。生まれて初めてマイクの前で歌ってみた。「ちょっと記録を・・・と思ったの」バーブラ・ストライサンド、13歳の時だ。「ユール・ネヴァー・ノウ」とても13歳の少女が選曲するとは思えない曲だ。彼女は自分の脳内サウンドを追ってみて、記録してみたくなったのだと思う。「実際の私ってどう聴こえるんだろう?」

なんだか自分で才能ないのかなぁ・・・音楽的に弾けない・・・まず自分の理想サウンドはあるだろうか?それがなければ追うこともできない。

♪ 「ユール・ネヴァー・ノウ」

あなたは私の想いなんか知らないのね
私がどれほど好きなのかなんて知らない
あなたは気づくべきよ
もう何回も言ったじゃない
百万回、それとももっとたくさん

私の心はあなたと共に去っていった
息をするたび呼ぶのは、あなたの名前
私の愛を証明する方法が他にあるにしても
私にはどうしていいのか分からないの

今のあなたが気づいていないのなら
これからもずっと気づかないままなのね

1955年発売のディック・ヘイムズの「ユール・ネヴァー・ノウ」を13歳のバーブラは聴いたのだろうか?なのでその年の年末に自ら「ユール・ネヴァー・ノウ」を録音してみた。違うかな?

誰もバーブラに演技や歌を教える教師はいなかった。だから自分の理想サウンドを教師とした。それを追った。違うかな?






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