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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

漂流の王者 

 

パット・コンロイに「漂流の王者」という小説がある。かつてバーブラ・ストライサンドが映画化した。漂流・・・まさにセルゲイ・ボルトキエヴィチの生涯のようだ。第1次大戦、ロシア革命、そして第2次大戦と、翻弄されて漂流した作曲家。

リサイタルの第2部ではボルトキエヴィチ作品から始める。ここで演奏する作品に共通しているのは、郷愁だろうか?ボルトキエヴィチはウィーンの中央墓地で眠っているが、ロシアの大地への郷愁は常に感じていたのではないだろうか?

1877年生まれ、スクリャービンが1872年の生まれだから、両者の作風を比較すると、随分とボルトキエヴィチはロマンティックというか、古風な作風に感じる。ラフマニノフのサウンドに似ていると言えば似ているかもしれない。そのラフマニノフは1873年の生まれだった・・・

ボルトキエヴィチ、ラフマニノフの亜流とさえ言われていたようだ。時代を逆行するような孤高の精神、強さのようなものは両者に共通しているように感じる。

長い間、ボルトキエヴィチ作品は忘れられた存在だった。最近、やっと注目されてきているような?でもピアノの弾き合い会、練習会で演奏されることは、まだ滅多にないように思う。

「ボルトキエヴィチ?誰それ?」できればそのような人に聴いてもらいたい。とても19世紀後半生まれの作曲家とは思えない作風だし、そのことよりも、最高に甘美で胸がキュンとしてしまうような魅力がある。

もしかしたら、今はメロディーが求められている時代なのかもしれない。クラシック音楽の世界に限らずに・・・

刺激的な作品、むろんそれもいいが、ハラっと心を泣かすようなメロディーが聴きたい。

6月のリサイタルでは、できれば「こんなに素晴らしい曲があったの?えっ?ボルトキエヴィチ?知らない。でも、心がとろけてしまうような曲じゃない?」と感じてもらえたらとても嬉しい。「こんな曲があったんだ」と。

巨匠、ローゼンタールが自分のエチュードを録音してくれた時、ボルトキエヴィチは嬉しかったんじゃないかな?

慌ただしく世知辛い世の中だから、だからボルトキエヴィチ・・・なのだと思う。

kaz




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category: リサイタル 2018

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