愛と死
6月のリサイタル、まず冒頭に演奏したいと思ったのが、この曲。グラナドスの「愛と死」、ゴイェスカスを最初に弾くというのは一般的ではないのかもしれないが、でもリサイタルの曲目で最初に決めたのがこの曲だった。冒頭の曲として聴きやすい曲ではないのかもしれないが、自分にとって最も弾きやすい曲という観点で選曲した。聴き手主体ではなく自分の都合中心に決めてしまって申し訳ありません。
この曲は人生ドラマそのもの、そう感じる。マハとマホが出逢い、恋に落ち、互いに傷つけ合い、そして二人は無償の愛というものに気づく。その時にはマホには死期が近づいていた。愛に包まれながら、マホに近づいてくる弔いの鐘をマハは感じる。でも愛は永遠・・・壮大でロマンティックで、そして感傷的ですらある。
楽譜にグラナドスはこう書き入れている。「苦痛の中の幸せというものを最大限に表現してください」と。グラナドスという人は実際に無償の愛というものを知っていた人なので、この言葉は非常に重みがある。
エリザベス・キューブラー=ロスは著書「死ぬ瞬間」の中で死への五つの段階を示している。癌=死という時代、癌を宣告された人の気持ちの変化を分析したもの。
1 否認 自分が死ぬなんて、そんなことありえない
2 怒り どうして私だけが?
3 取引 癌で死なないのだったら、何でもします。悔い改めます。だから・・・
4 抑うつ もうダメなんだわ・・・残る否認
5 受容 すべてを受け入れる段階
なんともヘビーだな・・・
ゴイェスカスの「愛と死」は、キューブラー=ロス博士の五段階をサウンド化したものに感じる。むろん、時代的にはグラナドスの方が先だし、死というものだけではなく、そこに至るまでの過程を「愛と死」は描いていると思うけれど・・・
壮大なドラマ「愛と死」は実はゴイェスカスのラストの曲ではない。でも実質的には終焉を描いたものに思う。この曲の次の曲が実際にはラストの曲となる。第6曲「亡霊のセレナード」・・・マホは亡霊となってしまうわけです。なので人生ドラマとしては、「愛と死」で一度ゴイェスカスは完結しているように感じるのだ。
kaz

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この曲は人生ドラマそのもの、そう感じる。マハとマホが出逢い、恋に落ち、互いに傷つけ合い、そして二人は無償の愛というものに気づく。その時にはマホには死期が近づいていた。愛に包まれながら、マホに近づいてくる弔いの鐘をマハは感じる。でも愛は永遠・・・壮大でロマンティックで、そして感傷的ですらある。
楽譜にグラナドスはこう書き入れている。「苦痛の中の幸せというものを最大限に表現してください」と。グラナドスという人は実際に無償の愛というものを知っていた人なので、この言葉は非常に重みがある。
エリザベス・キューブラー=ロスは著書「死ぬ瞬間」の中で死への五つの段階を示している。癌=死という時代、癌を宣告された人の気持ちの変化を分析したもの。
1 否認 自分が死ぬなんて、そんなことありえない
2 怒り どうして私だけが?
3 取引 癌で死なないのだったら、何でもします。悔い改めます。だから・・・
4 抑うつ もうダメなんだわ・・・残る否認
5 受容 すべてを受け入れる段階
なんともヘビーだな・・・
ゴイェスカスの「愛と死」は、キューブラー=ロス博士の五段階をサウンド化したものに感じる。むろん、時代的にはグラナドスの方が先だし、死というものだけではなく、そこに至るまでの過程を「愛と死」は描いていると思うけれど・・・
壮大なドラマ「愛と死」は実はゴイェスカスのラストの曲ではない。でも実質的には終焉を描いたものに思う。この曲の次の曲が実際にはラストの曲となる。第6曲「亡霊のセレナード」・・・マホは亡霊となってしまうわけです。なので人生ドラマとしては、「愛と死」で一度ゴイェスカスは完結しているように感じるのだ。
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2018/02/24 Sat. 11:02 [edit]
category: リサイタル 2018
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