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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

命綱のピアノ 

 

コンクールというのは、基本的にはピアニストの出発点なのではないだろうか?その時の演奏を判断されるのであろうが、聴き手としては、その後の可能性をも含めての判断となる。「この人、将来楽しみね」的な聴き方をしたりする。

1978年、随分と昔・・・という感じだが、この年のチャイコフスキー・コンクールは、いつもにも増して壮絶な戦いだったとされている。優勝者はプレトニョフ。第3位には僕の好きなデミジェンコが入賞している。

イギリスからやってきた内気な青年といった風貌の一人のコンテスタント、ある意味、誰よりも壮絶なる印象を残したのではないか?聴衆と音楽と演奏者が完全なるサークルを形成するというような、親和力の魅力というよりは、音楽、ピアノだけが彼を支えてきた一本の命綱、その孤独感を聴衆は聴く・・・そのような印象。

テレンス・ジャッド。第4位に入賞している。彼にとっては残念な結果だったのかもしれないが、順位よりも、コンクールでの彼の演奏は、出発点というよりは、彼の短いピアノ生涯での最高のパフォーマンスだったのかもしれない。コンクールの受賞披露コンサートだろうか?ここでの演奏に圧倒される。

最初のショスタコーヴィチとか、後半のバーバーのソナタ(フーガのみの演奏)など、他の誰もジャッドのようには弾けなかったし、現在も弾けないのではないだろうか、そのように感じさせる演奏。

幼少時代、どのような体験があったのだろう、なんとなくそのようなことを想像してしまうほどの孤独感を伴う演奏・・・まさに音楽、ピアノというものが唯一の彼の命綱・・・・

テレンス・ジャッド、コンクールの翌年、海岸で全裸の遺体として発見されている。どうも鬱病に苦しんでいたらしい。自殺だったとされている。

テレンス・ジャッド・・・一瞬の輝きのピアニスト。享年22・・・

kaz




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