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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

白鳥 

 

音の色彩・・・そう感じた。1995年、4月、シューラ・チェルカスキー。会場は、たしかサントリーホールだったと思う。リサイタル終演後も興奮で赤坂界隈を歩いた記憶があるから。

この時、チェルカスキーは83歳だった。とてもそうとは思えない演奏だったし、翌年の来日も決まっていたと記憶している。年齢を考えれば「彼の演奏を聴けるのは最後かもしれない」そう自覚し聴くべきだった。しかしながら、音による色彩が会場に浮遊し、その時をただ僕も浮遊していた。

アンコールに、この曲を弾いてくれた。「万華鏡のような音だ・・・」

歩きながらチェルカスキーを想い、そして黄金時代のピアニストたちを想った。彼の師であったヨゼフ・ホフマンを想った。モリッツ・ローゼンタール、イグナツ・フリードマンを想った。ロマンが浮遊した・・・

黄金時代、どのような演奏が繰り広げられていたのだろう?むろん復刻版のCDでも彼らの演奏の素晴らしさは分かる。でも実際にチェルカスキーの音を聴いた直後に、そのようなことを想像すると、僕の想像も空に浮遊してしまう。

黄金のロマンの最後の継承者、19世紀を最後まで伝承しようとしたピアニスト、それがチェルカスキーだった。

サントリーホールでの演奏後、その8か月後、12月も終わる頃、チェルカスキーの訃報を知った。ロンドンの病院で亡くなったと。10月の誕生日は祝えたのだろう。彼は84歳になっていた。

1995年、12月、一つの時代が終焉した。

kaz




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