ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

マイ・セカンド・ショパン 

 

中村紘子、カレーのCMに登場していた。でも僕ぐらいの世代の人にとっては、カレーではなく「コーヒーの人」というイメージがあるのではないだろうか?「ゴールドブレンド・赤ラベル」というインスタントコーヒーのCMの印象が強い。赤いドレスを身にまとい、ショパンの幻想即興曲を弾いていたと記憶している。誰から説明されたわけでもないけれど、ピアニストって、どこか厳格、偉い人みたいなイメージが当時の僕にはあり、女性のピアニストだったら、髪は「ひっつめ」・・・のような?なので中村紘子のCMを観た時には、「こんなピアニストもいるんだ?しかも日本人・・・」のような驚きがあったのだ。

当時のレコード屋には、クラシックのレコードも沢山あったと記憶している。むろん、小遣いでレコードを買うのは大変だったし、通常は、いわゆるドーナツ盤しか買えなかったから、LPレコードを買うというのは僕には大変な勇気を必要とした。

「あっ、コーヒーの人だ」

中村紘子のレコード、おそらく僕が初めて小遣いで買ったLPレコードなのではないか?完全に今でいうところの「ジャケ買い」だったのだと思う。

そのレコードにはバラードの1番も収録されていた。中村紘子の見事な演奏に魅了され、その後はバラード第1番が憧れの曲となった・・・と書きたいところだが、そうはならなかった。

そのレコードは、すべてショパンの曲で、A面にソナタの3番、B面にバラード、ベルシューズ、幻想曲(幻想即興曲ではない)が収められていた。夢中になったのは、ソナタのフィナーレ。それこそ「擦り切れる」まで聴いたのではないかと思う。

白状するのは、とても恥ずかしいのだが、当時の僕は「ソナタ」というのは複数の楽章から成り立っているという認識がなかった。ソナタの2楽章をバラードだと思い込み、「なんだ?違う曲じゃん?」などと思って混乱していたのだ。

やがてソナタという形態も熟知し(?)B面の最初がバラード1番と認識できて「あっ、シュミット嬢と同じ曲」と安心したのだった。

今、改めて演奏を聴いてみると、この時の演奏には、後年の中村紘子独特の語り口みたいなものが希薄で、ちょっと意外だった。おそらく若い頃の演奏を知らない人は、このバラードの演奏から中村紘子というピアニストを連想しないのでは?

だからよかった・・・などと書くと大問題なのだろうが、1973年のこの演奏により、僕はショパンに少し近づけたのではないかとも思う。

どこかスピーディーというか、意欲溢れた演奏だと思う。テンポそのものはシュミット嬢の方が速いのかもしれないが、打鍵準備が中村紘子の方が機敏で、どこか余裕があるようにも当時は感じたものだ。今も感じる。

kaz




にほんブログ村


ピアノランキング
スポンサーサイト

category: 未分類

tb: --   cm: 0

△top

コメント

 

△top

コメントの投稿

 

Secret

△top