ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

ヘッドライトの法則 

 

「来年はどうしようか?」・・・よくあるピアノライフの中の場面だと思う。「ねぇ、来年の発表会何弾く?」とか、「来年〇月に連弾してみない?」とか。ピアノライフに限らず、生活していれば、日常的にあること。未来のことについて話し合う、計画する・・・

「来年?生きていれば・・・ね」そう思う。心が屈してしまう。いちいちそんなことで参っていても仕方ないと思う。生存率というものがある。大体、5年という単位が大きなラインとなる。「5年、再発しなかった」とか「再発したけど、治療後もうすぐ10年、まだ生きられるってこと?」みたいな?

でも生存率に関係なく、ちょっとしたことで「来年?生きてるかな?」と思ってしまうこともある。医学書を読んで、やめればいいのに、自分の生存率を確認してみたり、医師の言葉を悪い方向に解釈したり・・・

他人には気づかれないようにしているつもりだけれど、そりゃあ負のループに入ってしまうことだってあるさ。

僕は難聴なので、音とか声は聞き取りにくい。でも機器に頼らず普通に生活している。ピアノを弾く時が困るのだ。通常の練習では困らない。人前で緊張して弾く時に困るのだ。僕の敵は、低気圧、狭い空間、緊張感、このようなものが重なるとピアノの音が聴こえなくなる。これって、まさに人前演奏に当てはまる。僕の演奏を実際に聴いたことのある人には、気づかれているのだろうか?ここ最近、一曲目はほぼ手の感触だけで弾いている。弾きながらサウンドとして確認できないので、非常に怖い。気づかれているのだろうか?

人前での演奏なんかやめてしまえば楽になる、そう思う。負のループにいるとそう思う。何曲か弾いていると、音は聴こえてくることが多いのだが、サークルの練習会のような場、このような場だと、基本演奏する曲は一曲だから、感触弾きだけで終わってしまう。だからサークルはここ一年、不参加というか、逃げていたところがある。

ピアノなんかやめてしまおうか???

あるエッセイを読んだ。「ヘッドライトの法則」について書かれていた。そのエッセイストも癌患者だ。

ヘッドライト、遠くまでは照らさない、遠くは闇なのだ。でも照らされているところを見るのだ。そこは光り輝いている。そこだけを見るのだ。闇を見ると負のループに入ってしまう。そして絶対にライトは灯し続ける。そうしないと、すべてが闇となってしまうから。

実は、来年、ピアノデュオしませんかと誘われている。連弾なら大丈夫。発音(?)が同じ楽器だから。でも広い舞台で向かい合わせに置かれた二台のピアノ、「聴こえるだろうか?時差までも聴こえるだろうか?相手に迷惑をかけるのではないか?」

とりあえず合わせてみましょう・・・

ヘッドライトの法則でいくことにする。ライトに照らされた部分だけを見る。闇は見ない。

一曲目、全く聴こえなかったらどうしよう?感触弾きで弾ける曲を自分で見つければいいじゃないか?闇は見ない。

ヘッドライトの法則は決して現実逃避ということではないと思う。自分でそう思えばいいのだ。

・・・と、ツラツラと書いてきて、スメタナのことを思った。音が聴こえない、ベートーヴェンではなくスメタナを連想したのは何故だろう?代表作「我が祖国」の作曲中にスメタナは聴力を失ったらしい。

ヘッドライトの法則を実践したのではないだろうか?

kaz




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コメント

 

相手を信じる、という方法もありますね

お気持ちお察ししますと簡単には言えませんけれど、私も私の持病の平均寿命は近いらしいし、(あ、でも、私は長く生きますよ)、ステージで耳が急にほとんど聞こえなくなった経験もあり、少しは分かります。
でも、kazさんのように、それがいつもの事になっては、お辛いですね。。

ヘッドライトに照らされたところだけを見るという自立した努力も素晴らしいですが、「相手を信じる」というのも、いいのではないかと思います。

1曲目が聴こえなくて感触で弾いても、相手が合わせてくれることを信じましょう。それだったら、2台でも、ソロと変わらない気持ちで弾けますよね?

大丈夫です。誘った方が、ちゃんと合わせて下さると信じて、デュオ弾いてください。
誰だって事故などで明日終わるかもしれない人生ですし、来年までにミサイルが落ちているかもしれませんが、「生きていたら連弾しよう」で、いいじゃないですか。是非、実現させてください。

人を信じるのは、ヘッドライトを思い浮かべるより効くような気がします。(^_^)

Megumi #3/2tU3w2 | URL | 2017/09/29 05:34 | edit

Megumiさま

ありがとうございます。デュオですが、誘ってくれた方は、僕の難聴のことを知っています。それを承知で「デュオやりませんか?」と言ってくれました。彼女は私を信じてくれたのだと思いますし、僕もまた、彼女を信じてみようと思います。

ありがとうございました。

kaz #- | URL | 2017/09/29 07:01 | edit

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