ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

諸国民の中の正義の人 ポーランド編 

 

イスラエル政府が与える賞にヤド・バシェムという賞がある。日本人では、ただ一人杉原千畝が受賞している。この賞を授かった人たちは「諸国民の中の正義の人」と呼ばれる。非ユダヤ人でありながら、命を懸けてユダヤ人を救った人たち。

諸国民の中の正義の人、ポーランド人が圧倒的に多い。ホロコーストの最も悲惨だった地域がポーランドであったため、これは自然のことのようにも思われる。6620名ものポーランド人が正義の人とされている。

ナチス政権支配の当時のポーランドでは、占領法が適用されていた。ユダヤ人を匿ったポーランド人は、匿った本人だけではなく、その家族をも死刑に処する・・・という法が適用されていたのだ。ユダヤ人を助ける、匿うという行為は、まさに命がけでもあったはずだ。

ポーランド人、レオポルド・ソハは、諸国民の中の正義の人の中では特殊な人なのかもしれない。この賞を授かった人は、割と地位の高かった人が多い。杉原千畝もリトアニアの日本領事代理であったわけで、外交官であった。ソハはそうではなく、ごく普通の一般人だった。それも小悪人的なところがあったらしい。空き家になったユダヤ人の家から金目になりそうなものを盗んだりとか・・・

ソハは下水道関係者(?)であったため、ユダヤ人たちを地下の下水道に匿う。それは人道的な目的ではなく、お金のため。ユダヤ人から金品を受け取り、匿う。

ソハは善の誘惑に負けてしまうのだ。「こんなことをしていたら本当にヤバいかも?」手を引こうとするが、どうしてもそれができない。感じてしまったのだ。「地下に隠れている人たちも、自分も同じ人間じゃないか?」と。

レオポルド・ソハのことを僕に教えてくれたのはHだ。彼は、もちろんソハの物語が映画化されたことは知らない。その前に亡くなってしまっているから。でもソハという人物はポーランドでは有名なのだそうだ。

この種の映画としては、珍しく(?)ラストはハッピーエンドとなっている。実話なので、なおさらハッピーな感じだ。地下の下水道に隠れていた人たちは生き延びるのだ。戦争が終わるまで生き延びる。

「さあ、出てごらん、空を見てごらん・・・」ソハはユダヤ人の子どもを抱き上げるのだ。鮮やかなラストシーンだったように思う。監督はアグニェシュカ・ホランドというポーランド女性。ソハを演じているのが、ポーランドの名優、ロベルト・ヴィエツキーヴィッチ。この俳優の演技だけでも、この映画を観る価値はあると思う。この人はアンジェイ・ワイダ監督の映画でワレサを演じていた人でもある。

Hによれば、当時下水道に隠れていたユダヤ人は他にもいたらしい。中には妊娠していた女性もいた。むろん、下水道、隠れ家で堕胎をするわけにもいかないので、赤ん坊は生まれてくる。そして多くの母親が泣きながら生まれてきた赤ん坊を窒息死させたのだそうだ。赤ちゃんは泣いてしまうから。この映画にもそのようなシーンはある。映画に描かれなかった悲劇としては、ソハは戦後、事故死で亡くなっている。暴走するソビエトのトラックに轢かれそうになった娘を助けたため、自分が亡くなってしまった。この時、こう囁く人たちがいたのだそうだ。

「ユダヤ人なんかを匿ったからだ。天罰が下ったのさ!」

地図帳でポーランドの位置を確認してみる。しっかりとドイツとロシアに挟まれている。最近の世界情勢を考えてみる。負の歴史が繰り返されなければいいと念じる。

kaz




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