ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

頭髪でピアニストになった人 

 

「ゴィエスカス」第5曲、この曲は曲集の最大の山場になるのではないかと思う。グラナドス自身が楽譜にこう残している。「非常に表現豊かに演奏して欲しい。不幸のなかの幸福を表現して欲しい」と。

オペラでは決闘に負けたマホに、マハがすがりつき、死をむかえる、愛するマハの腕の中でマホは死んでいく、このような場面でこの曲が歌われる。死の直前、それまでにあったことが、走馬燈のように駆け巡っていく・・・

「愛と死」は、まさに走馬燈の音楽でもあるのだ。走馬燈、それは切ない場面の連続だ。最期は遠くの鐘の音の中で、すべてが消え去っていく。いや、すべてではないんだな。何かが残る。二人は何かを知るのだ。それがグラナドス言う所の「不幸の中の幸福」つまり愛・・・

この「愛と死」を捧げられたのがイギリスのピアニスト、ハロルド・バウアー。バウアーぐらいになると、昔のピアニストには変わりはないけれど、なんだか、ぐっと近しい感じがしてくる。コルトーもそうだけれど。

バウアー、作品として数々のトランスクリプションが素晴らしいように思う。フランクの作品の編曲ものなどは、現在でもたまに演奏されているようだけれど、その他の編曲ものも、これから脚光を浴びる(?)ような気がしている。

ピアニストとしては、往年の演奏家を知ってから以来のピアニストというか、非常に近しさを感じる。小学生の頃からバウアーの演奏は聴いていたから。シューマンの演奏が個人的には好きだ。この世のものと思えないほどの美しさ。たしか、この人はドビュッシーの「子どもの領分」の初演者ではなかったか?たしかそうだったと思う。

もともとはヴァイオリニストだった。たしか、パデレフスキが「君、髪が見事だからピアニストになったらいいのではないかな?」という一言でピアニストに転身したとか?まさかその一言でということはなかっただろうが、ピアノしか弾いてこなかった緻密職業ピアニストというよりは、音楽家というか、表現具現のための楽器としてたまたまピアノを選んだからピアニストになった・・・のようなピアニストに思う。まぁ、バウアーに限らず、この時代の演奏からは「達者ピアノ」というよりは「音楽そのもの」を感じたりする。

ガブリロヴィチと組んだアレンスキーのワルツ、このデュオがこの時代の演奏というものを顕著に表しているように思う。ガブリロヴィチも好きだなぁ・・・

左側がバウアー。普通の髪・・・だと思うけど?

kaz




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category: リサイタル 2018

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