ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

楽譜へのリスペクト 

 

「クラシック音楽は再現芸術なので作曲家の意図に忠実に」この考えと「感情のこもった演奏」というものとは相反するものなのだろうか?そもそも感情を込めるって?なんとなく塗り絵に色を足していく、後付けのような感覚を持ってはいないだろうか?楽譜に忠実ということは、自分を殺すということなのだろうか?

楽譜、作曲者の意図に忠実ということと、自分を出すというか、感情をこめるということを整理してみることも必要かもしれない。もしかしたら相反するものではないのかもしれないし。

まず、楽譜を読むとか、作曲者の意図ということ。音符を視覚的に理解し、ドね、ラね、と鍵盤を押すことが忠実ということではないだろう。pという指示だから弱いのね・・・ということでもないだろう。ドとラにエネルギーを感じたかどうか、つまりそのドラの動きに自分が萌えたかどうか?萌えた、楽譜を読みつつ「ああ・・・この部分、いいわ」と感じたのならば、それは楽譜から感じたということにはならないだろうか?感じた=作曲者の意図をキャッチした・・・みたいな?

音符などの情報は作曲者は書き込んでくれているけれど、作曲者自身は、萌えとかウルルン・・・みたいなものを情報としてすべて書き込んだのだろうか?「ここの休符はウルルンとして」とか?「ここの跳躍で萌えてね」とか?書いてはいない。キャッチする必要が読み手側、つまり弾く人には必要なのではないか?作曲者が感情を込め、それを印刷的情報(?)としては書ききれなかったのならば、それを拾う、キャッチすることが結果として、聴いている人にも感情がこもっているように聴こえる・・・ということにつながらないだろうか?少なくとも楽譜に忠実ということが無味乾燥ということにはならないだろうし、萌え要素のようなものが人によって異なるのだとしたら、楽譜からキャッチするみたいな感じであれば、それは後付けではなく、「共感」なのでは?自分の想いを楽譜が「代弁」してくれているような?自分感情と楽譜が共感し合い、「そうそう、そうなのよ、ここなのよ」みたいな・・・

昭和的手順がそれを阻んでいるのかも?一つ一つの音符を視覚的に読み、それを組み立てていく・・・だけの手順。一応音が並んだら表情をつけてみましょう・・・みたいな?表情、表現、それはあとからつけるもの?視覚的情報だけに依存しがちなのかもしれない。譜読みとはそのようなものという習慣?ソルフェージュ能力が欠けていると視覚的情報に依存、それがすべて、それが楽譜を読むということになってしまうのかも?なにも難関音大の入試のようなマニアック(?)な課題をこなせる必要はないと思うけれど、少なくとも楽譜を視覚的に見て、脳内で音が鳴る・・・というソルフェージュ能力は必要ではないだろうか?それがないと、自分の理想サウンドというものが弾く前に描けない。楽譜から視覚的情報しか得られず、それが譜読み・・・みたいな?結果的に「音を並べました」的な演奏になってしまい、「感情を込めて歌わなきゃ」と感じたり?もしかしたら忠実に読む=表現・・・なのかも???表現というものは「私はこう感じるの~」というものをアピールするものではなく、むしろ「共感部分」とか「キャッチできた部分」というものなのでは?

話題は突然変わるけれど、現在50歳ぐらいの女性に訊いてみたいことがある。実際には失礼なので訊いたことはないけれど。それは「高校生の頃、聖子ちゃんカットでしたか?」というもの。かなり聖子ちゃんカットは流行ったように記憶している。でも当時の女子高校生、松田聖子に対しては「ぶりっ子」みたいな感じで割と辛口だったような?なのに何故に聖子ちゃんカット?そのことを質問してみたい気はある。高校生の頃に訊いてみたことはある。「松田聖子は嫌いなんでしょ?何故?」と。その子の答えは「これは聖子カットじゃないもん。明菜ちゃんカットよ」というものだった。そうなのかぁ・・・

中森明菜、アイドル時代の曲とか、僕は知らない。高校生の頃は洋楽ばかり聴いていたしね。彼女がカバーアルバムを発表するようになってから中森明菜という歌手に興味を抱くようになった。「歌姫」というシリーズだったかな?

張り付けた歌唱、実は中森明菜本人が歌っているものではない。最初、僕は中森明菜本人の歌唱だと思った。歌っている人は、おそらく中森明菜のファンなのだろう。彼女が休業していた頃、このまま中森明菜という歌手が忘れ去られ、皆の記憶の中から色褪せていってしまうのが哀しかった。だから自分でも明菜の曲を歌い始めた・・・らしい。

非常に中森明菜という歌手の歌い口、個性、彼女の歌として成り立っている要素をキャッチしているのではないだろうか?楽譜を読むとか、忠実にということは、この人がしているような「キャッチ」、非常に細やかなキャッチ能力というものと、どこか似ているような気はする。ここで歌っている人、中森明菜をかなりリスペクトしているように聴いていて感じる。

感情をこめる、それは「私よ~」というものを塗り絵のように後付けするものではなく、感情をキャッチする、それは楽譜に盛り込んである、音と音の間に・・・そんな感じではいけないのだろうか?

kaz




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コメント

 

kazさん、仰る通りです。

 >忠実に読む=表現

そうだと私は思っています。音符の正確さばかりに拘っているとそれが見えてこないのですよね。

 >ドね、ラね、と鍵盤を押すことが忠実ということではない

ドを大切に弾いて(聴いて)から、短3度下がってラを大切に弾いたら(聴いたら)、
深い悲しみや儚い切なさが聴こえてくると思いませんか?

どれくらい長く弾くか、どれくらい強く弾くか、どれくらい集中して弾くかで
雰囲気は全部微妙に変わりますけれど。。

楽譜には、感情や雰囲気が書いてあってそれを感じ取る勉強を
入門段階から指導するべきと思います。
そして、譜読み段階から常に考えるべきと思います。

音符だけ並べて、後から表現を付け加えると
2種類の弾き方で練習することになって、
緊張したら、元々のツマラナイ演奏が出てきてしまいます。


ところで、良く似ていますね、動画。
よほど明菜さんの歌を聴き込んで特徴をつかんでいますよね。

ただ、決定的な違いは明菜さんの方が音楽のまとまりが長いのです。
フレーズが長い集中力で表現されていると感じます。

明菜さんが涙を浮かべて「難破船」という言葉のある歌を
歌っているのをTVで見て惹き込まれたことがありました。
凄い感受性の人だと思いました。

Megumi #3/2tU3w2 | URL | 2017/06/02 02:10 | edit

Megumiさま

コメントありがとうございます。

感情をこめる、この「込める」という言葉が曲者なのかもしれません。「込める」というよりは、むしろ「拾う」に近い感覚?

ある程度のソルフェージュ能力というものも関係しているでしょうか?音の連なりとか、和音の変化をCDという音源ではなく、楽譜から感じ取る、弾く前に鳴らせる能力・・・

これがないと、情報としては黒々とした音符だけ・・・ということになり、「さあ音を読みましょう」みたいな?

kaz #- | URL | 2017/06/02 06:01 | edit

拾う、掬い上げる、感じ取る

「拾う」そうですね。そういう感じですね。

私もつい、想いを込める、という言い方はするのですが、実際には曲を音にした瞬間に、そこから溢れてくるものを感じ取る(拾う、掬い上げる)ことで、それに呼応して、こちらの感情も溢れて、その感情と共に弾くという感じでしょうか。

曲によって溢れてきた感情で、自分の過去の記憶や現在の状況に対する感情が呼び起こされて、益々感情が溢れるということもあると思います。・・というか、それは多いと思いますし、OKだと思いますが、泣いてしまって弾けなくなっては困るので、どこかに指揮者のようなもう一人の自分がいると理想ですよね。


ソルフェージュの能力は、あれば音楽をして行く上でとても有利だと思います。でも、楽譜を見ただけで頭の中で完璧に音が鳴らなくても、弾いてみた時に聴こえてくる音楽の微妙な変化を「感じる」ことができれば、それでOKだと思います。

逆に、ソルフェージュ能力が素晴らしくても、頭の中で音を並べるだけの感じで音が鳴る場合もあります。門下生にソルフェージュの天才がいますが、表現にはご苦労多く、レッスンで学んで形をつけて行きます。
とはいえ、楽器ではほとんど練習せずに、電車の中で楽譜を読むだけで暗譜できる能力は、非常にうらやましいです。(^_^)

音楽を感じ取る力も、ソルフェージュ能力も、勉強や訓練で、少しずつ上げて行くことはできると思います。

Megumi #3/2tU3w2 | URL | 2017/06/03 01:55 | edit

Megumiさま

もしかしたら、譜読み=音を読んでいく・・・のようなことも含めて、ボタンの掛け違いのような、多くの人が常識と思っていることが、実はボタンの掛け違いのような?

一応音が弾けてから表現を考える・・・とか?そのようなこと。

実に多くの人が「表現豊かに弾けない」「音楽的表現、そのようなことって、どうしたらいいのか分からない」と悩んでいるように僕は感じます。

才能がないから、とか、努力(練習)が足りないから・・・どうしてもそちら方面に流れていってしまう。

「譜読み」一つにしても、ボタンの掛け違いのような?

kaz #- | URL | 2017/06/03 18:04 | edit

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