ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

バリンカイのワルツ 

 

僕のコンサート、25日なのでもうすぐだ。仕事の予定表を見ると、休める日=ピアノを練習できる日が3日しかなく、大丈夫かなとも思うが、今の段階では遠足を待ちわびる小学生のような気分だ。

今日はピアノも少し練習したのだが、プログラムを作った。ワードで作成して、文具店で購入した「少しだけ高級」な紙に印刷したりしていた。練習以外にもやることが多いね。

日にちは25日、場所はミュージックギャラリーアリエッタという所。

http://www.musicgalleryarietta.com/

開場は13時40分。開演は14時から。完全予約制・・・といっても、メールで申し込むだけだったのですが、おかげさまで満席なので、今日のブログを見て、「ちょっと行ってみようかしら?」というのはできません。申し込んで頂いた方は、個別に僕からメールを後日したいと思います。

プログラムの中に「宝石のワルツ」という曲がある。いかにもJ.シュトラウスらしい素敵なワルツだ。このワルツはオペレッタ「ジプシー男爵」のメロディーを集めたもの。コンサートでは、各々の部(というかステージというか)にテーマを決めていて、「宝石のワルツ」はウィーン曲集の部(というかステージというか)で演奏する。選曲した時は、テーマに合うだろうというぐらいの気持ちだったのだが、実は「ジプシー男爵」には想い出があるのだ。僕に音楽への扉を開いてくれたのが「ジプシー男爵」だったから。

小学生の頃、僕は鍵っ子だったので、親の知り合いの医師の息子、この人も医大生だったのだが、預けられるようになった。この人が僕に音楽を沢山聴かせてくれたんだね。医学部の学生なのに音楽ばかり聴いている人だったな。

「ピアノ習っているんだ、曲はどんな曲を知ってる?」「えっと・・・」ショパンの有名な曲(LP1枚分)なら知っていたが、この場でブルグミュラーの曲とか、「アルプスの夕映え」なら知っているとは子どもながら言いにくかった。「ピアノ好き?音楽は好き?」彼の問いにも答えられなかった記憶がある。音楽で感動したことなんかなかったから。ピアノなんて退屈と思っていたから。

最初にショパンのワルツを聴かせてくれた。これはいい選択だったのではないだろうか。クラシック導入にショパン。でも彼はブライロフスキーのレコードを聴かせてくれた。その演奏は、僕のそれまで聴いていたレコードの演奏とは全く違っていた。「これ、クラシック?こんなに自由で生きている感じがして・・・こんなに胸が苦しくなるような・・・」

僕の反応に気づいたのだと思う。しばらくピアノ曲を聴いていたが、彼は突然こう言った。「オペレッタを聴こう」そして「こうもり」を聴かせてくれた。彼が身振り手振りの解説をつけてくれた。

「こんなに面白い、楽しいものもクラシックなんだ・・・」小学生、それもバイエルぐらいしか弾けない小学生に「こうもり全曲」は、なかなか個性的な選曲だとも今は思ったりするが、僕は夢中になったんだね。

「こうもり」の次に「ジプシー男爵」を、これも彼の解説付きで聴かせてもらった。僕は「ジプシー男爵」の方が好きだったな。ハンガリー情緒というのだろうか、とても惹かれた。中でもバリンカイというテノールの役を歌っている歌手が際立っているように聴こえた。

「この人、なんていう人?」「ニコライ・ゲッダという歌手だよ。僕も彼は素晴らしいと思う。ゲッダの歌、もっと聴いてみる?」

僕に音楽の扉を開いてくれた人、それは聴かせてくれた医大生であり、ブライロフスキーであり、ショパンであり、J.シュトラウスであり、そしてニコライ・ゲッダだった。

バリンカイのアリア、「気楽な若者だった頃」に惹かれたというか、ショックを受けたんだね。バリンカイ登場の歌でもあるので、非常に印象的だったのだ。ワルツになった時のメロディー、このメロディーが扉を盛大に開けてくれた気がする。

いつも音楽を聴いて、時間は夜中に近くなった。自宅まで歩いて20分ほどだったが、時間が時間だけに医大生の彼が毎回送ってくれた。最初、彼の質問に答えられなかった。音楽なんてなんだか分らなかった。でも帰り道、僕はこう言ったように思う。

「音楽ってなんだか哀しいんだね」

「そうだね・・・」彼はこう返した。

選曲の際は、このことを考えて選曲したわけではなかった。でもバリンカイのメロディー、バリンカイのワルツを弾きたかったのかな、心の奥底でそう感じていたのかな・・・

40年前のバリンカイを想いだす。

kaz




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category: リサイタル

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