ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

ドイツで最も有名な日本人 

 

堅実な人生を歩んでいた息子が、ある日突拍子もないことを言ったら?秘めていた憧れを実行しようとしたら?

石井健雄さんは、家業を継ぐため機械工学を学んだ。そして家業を継ぎ安定した生活をしていた。でも石井さんには秘めた憧れがあった。それがヨーデル。

ヨーデル?ファルセットと地声を巧みに操る、あのヨーデル?スイス?

ヨーデルはスイスだけのものではなく、アルプス地方で歌われる伝統芸能の一つらしい。興味深いのはアルプス地方でもフランスやイタリアでは盛んではなく、ドイツ語圏で主に歌われることだ。アメリカにも飛び火し、それはカントリー・ヨーデルと呼ばれるそうだ。

最初、石井さんは、このカントリー・ヨーデル歌手のレコードを聴いたみたいだ。「外国人にも歌える?」独学、つまりレコードの歌声を聴きながら、石井さんはヨーデルを身につけていった。フランツル・ラングというドイツの名ヨーデル歌手に憧れ、聴き続け、自分なりに研鑽していたのだろう。ドイツのバイエルン地方もヨーデルが盛んなのだそうだ。ビアホールで歌われる技巧的なヨーデルが特色だ。フランツ・ラングと同じく、石井さんのヨーデルもバイエルン・ヨーデルのようだ。

石井さんは、ある日両親に告げる。

「機械工学を学ぶために本場のドイツに行きたい」と。でも母親は見抜いていたらしい。「ヨーデル・・・でしょ?」石井さんは26歳になっていた。そしてヨーロッパに渡った。

フランツル・ラングの世話になりながら、本場でヨーデルを歌い始めた。初めてヨーデルでお金を稼いだ時、本場の人に認められた時、石井さんはこう思ったのだそうだ。「もう日本には帰らない・・・」

秘めた憧れ。ピアノが趣味、そう言ったら人は「まぁ、優雅な趣味ですね」なんて言ってくれるかもしれない。「まぁ、大変でしょ?」なんて言うのかもしれないが。でもヨーデルだったら?「趣味はなんですか?」「ヨーデルです」「えっ?ヨーデルって、あのヨーデル?なんでまた・・・」みたいになるのではないだろうか?かなり特殊な分野なのではないかな?

秘めた憧れ、自分の内面に石井さんはヨーデルへの憧れを募らせていたのでは?本場の人に認められて、こう感じたのではないだろうか?「ああ、僕が憧れていたものを、ドイツの人は理解してくれている。僕の憧れを共有してくれて喜んでくれている」と。

ここを離れたくない・・・と思ったのかもしれない。

石井健雄、ドイツで最も有名な日本人。

kaz




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