ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

平和と鳴く鳥たち 

 

スペインのピアノ曲を弾く際に、やはりスペインの歴史などは分っていたほうがいいのだろうか?いいと思う。知ったから、すぐにスペインのピアノ曲が上達するわけでもないとは思う。モーツァルトの生家を訪ねたからといって、その日からモーツァルトのソナタが上手く弾けるとは限らないように。でも知るということは無駄なことにはならないよなと思うのだ。

「ゴイェスカス」を演奏するのに、「ゴヤって誰?」では、やはりよろしくないだろう。スペイン内戦などについても僕の知識は、ほぼ皆無であると言っていいだろう。それでも中学生、高校生、いや、大学生の頃もかな、これでも一応文学青年らしきところはあったのだ。たしか、高校生の時ジョージ・オーウェルの「カタロニア讃歌」などは読んでいる。内容は忘れてしまったけれど。やはり勉強は若いころに・・・ということを痛感する。今は吸収力に欠けるというか、そのようなものを読む元気がない。

でも加齢というものは、水分不足による肌の衰え・・・のような悩みも出てくるが、他人の出来事を自分のことのように同化させて感じることも可能になってくる。カザルス・・・偉大なチェリストだったのよね、そのような感覚から、彼がなぜにカタルーニャを去ったのか、なぜ国連でのスピーチで「平和、平和、平和・・・と鳥たちは鳴くのです」と言ったのか、なんとなくだが分ってくるのだ。

カザルスは難民ではないだろうか?厳密にはそうなる。外国に逃げたわけだから。そして二度と故郷カタルーニャに戻ることはなかった。フランコ独裁政権が続く当時のスペイン、「本当の平和がスペインに戻らない限り、私は故郷には帰らない」と。演奏そのものも中止してしまった。諸外国がフランコ政権を容認したからだ。

カザルスが大切に演奏したきた曲がある。故郷カタルーニャ民謡「鳥の歌」だ。自分で編曲し演奏してきた。

1971年だったかな、95歳のカザルスは平和活動家として国連でスピーチしている。

「久しぶりに演奏しなければならないと思っています。鳥の歌という曲を演奏します。私の故郷カタルーニャでは、鳥たちはPeace、Pieace、Pieaceと鳴くのです。この曲はバッハ、ベートーヴェン、すべての偉大なる音楽家たちが愛したであろう曲。この曲は私の故郷カタルーニャの魂なのです。 カタルーニャ!」

スペインの人々は地上では訴えることができなかった。平和を・・・と。でも空高く、鳥たちのように自由になれば、自由に叫ぶことができるのだ。平和・・・と鳴くことができるのだ。分断というものを悲しみ、絶望したカザルスの思いではなかったか?

「音楽は言葉では表現できない感情までも表現してくれるのだ」    レナード・バーンスタイン

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