ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

「シュワ・ジェヴェチカ」 

 

来月の自分のコンサート、プログラムの一部にウィーン関連の曲を集めた部分がある。僕自身人間として根暗な部分があるのか、プログラム全体として、ちょっと哀愁に満ちているというか、人生の絶望というか、簡単に言うと「暗いかもな」という印象を持った。そこで先日、今まで弾いた曲の中からウィーン気質のような曲を入れてプログラムを再編成してみたわけだ。ヨハン・シュトラウスのワルツとか、オペレッタの曲とかね。これなら明るいだろうと・・・

ドホナーニが編曲したヨハン・シュトラウスのワルツなども、そのような意図でプログラムに入れてみたわけだ。でも、そのウィーン曲集を「なんちゃって弾き」で通してみると、優雅なウィーン・・・というよりは、郷愁というか、何かしらの念というか、強いものを感じてしまった。やはり僕は暗いのか?

ドホナーニにしても、カールマンにしても、異国(アメリカ)という地で遠くの故郷を想う・・・のような、ある種の心情が常にあったのではないか?その部分が明るい曲調の中にも哀愁を感じさせてしまうのではないか?

この部分は、僕自身にはない感情なのだ。強いて言えば、アメリカ留学中、一度も日本には帰国しなかった約5年間という期間、僕にとっては郷愁のような感情を味わう絶好の時だったように思うが、そのようなウルウルを感じたことはない。基本的に僕は感傷人間だと思っているので、遠く離れた日本を想い、「ああ・・・故郷・・・」という感情に無縁だったのは、考えてみれば不思議なことだ。

僕がアメリカで出逢ったヨーロッパ人たちは、多分に感傷人間であったし、祖国に対して強い、時には矛盾のようなものさえ感じるような感情を抱いていた人が多かったように思う。つまり物凄く強いものを常に感じていたというか・・・

この部分の差、自分との差は何だったのだろう?それは「動機」というものの違いだったのではないだろうか?僕は自分の意思でアメリカという地を選んで留学した。日本という狭い国が息苦しかった。なので、とてもアメリカが居心地よかったのだ。空気が自由・・・そう感じたものだ。

でも彼らは違う。最終的には自分の意思でアメリカに渡ってきたのであろうが、僕のような甘い理由ではなかったはずだ。移民としてアメリカにやってきた、故国という文化を抱えつつ、それをある意味捨てなければ生きていけなかった。そのような重さ、それが彼らから感じる情念とか郷愁のようなものとして僕に伝わったのではないかな?

ルームメイトであったポーランド人のHはキッチンで料理を作っている時、鼻歌を歌うのが癖だった。多くの曲は僕には馴染みのない曲だったが、ある時僕でも知っている曲を口ずさんだ。

「あ、その曲知っているよ」「なんで日本人である君が知っているんだ?」「さあ?なんでだろう?でも知っている。日本人だったら誰でも知っていると思う」

ちょっと調べてみた。そのポーランド民謡、1955年にワルシャワで行われた世界青年平和友好祭でのコンサートで歌われた。指揮者の荒谷俊治という人が採譜をし、そのメロディーに東大音感合唱団のメンバーが日本語の歌詞をつけた。日本では当時全盛だった「歌声喫茶」にて広まっていった。さらにNHKで放送されていた「みんなのうた」により、さらに日本全国に広まっていった。1960年代前半。僕が生まれる前のことだ。でもこの曲はよく知っている。

「日本人の君も知っている、多くの日本人が歌える・・・そうなんだ」そこにポーランド人としてのHを感じた。誇り高いポーランド人。

「ポーランド、やはり懐かしく想う?」これは失言だったと思う。彼に質問してはいけなかった。

「う~ん、その質問には答えられないな・・・」

Hはそう言った・・・

kaz




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category: リサイタル

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コメント

 

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kazさん、こんにちは。
「日本でもよく知られている曲?何だろう?」と思いつつYouTubeの動画再生して吹き出しました!
♪の〜りを食べ〜ましょう〜大森屋〜♪ホッホ〜ホ…って、海苔の大森屋のCM曲ではありませんか(≧∇≦)!原曲初めて聴きました。思わずCMも動画検索しちゃいました。懐かしい〜。

リサイタル、あと一ヶ月ほどですね。楽しみにしています!

ふわふわ #DL0dExLA | URL | 2017/01/17 14:26 | edit

ふわふわさま

大森屋、海苔・・・

これですね。記憶に微かにあるような・・・

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kaz #- | URL | 2017/01/17 16:27 | edit

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