ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

抜け感 

 

ホアキン・ラレグラという人の曲で、「ビバ ナヴァラ!」というショウピースがある。ラレグラに関しては、あまり(ほぼ?)詳しいことは分ってはいないのだが、どうもサルスエラで活躍した作曲家のようだ。「ビバ ナヴァラ!」は純粋なるピアノ曲のようで、スペインらしい情熱、かつ華やかな名技が発揮されている曲のように感じる。

この曲の悩ましい所は調性がハ長調であるということだ。「譜読み」という観点から考えると、譜読みがしやすいという面もあるのかもしれないが、実はハ長調って弾きにくいような気がする。シューベルトの「さすらい人幻想曲」が難曲である理由の一つに、この曲がハ長調であるということも関係しているのではないだろうか?弾いたことないけど。

「ビバ ナヴァラ!」は過去にも何回か演奏したことがあり、僕の所有するCDのピアニストも、ユーチューブで聴くピアニストたちの演奏も、なんとなく「難曲なのだよ」というようなことを感じさせてしまう演奏が残念ながら多い。内容が難渋という曲ではないのだと思うのだが、なにしろ「弾きにくい」のだ。ここをオクターブ?ここでその跳躍?・・・みたいな感じの難しさ。ピアノの上手かった作曲者、あるいはピアニストの曲は、サウンドどしては豪華でも、ピアニストの身になってくれているような弾きやすさ(簡単ということではない)があるのではないか?そのような意味でラレグラ氏のこの曲は弾きにくいのだ。

昔はなかったと思うのだが、最近この曲のユーチューブで、なんとあのキーシンの演奏があるのを発見した。ラレグラとキーシン、何故?という感じもしないではないが、たしかにこの曲はアンコールなどには最適なのかもしれない。

エフゲニー・キーシン、個人的には微妙な立ち位置にいるピアニストだ。好き・・・とは言えないなぁ。ハフとか、あるいはフリードマンなどの往年系のピアニストを好む人は、なんとなく僕の気持ちも分かってくれるのではないだろうか?どの曲も水準以上というか完璧に近い。というか・・・完璧?アムランというピアニストにも同様のことを感じる。完璧なんだけれど、抜け感が足りない・・・みたいな?あまりにもシリアス、かつ真面目に真摯に取り組んでしまい、素晴らしいのだが、遊びというか、こちらの気持ちをフワッとさせてくれるようなところが少ないような?実に立派なんだけどねぇ。

シリアスな「ビバ ナヴァラ!」というのはどんなもんなんだろう?魅惑的なスペイン歌曲を厳格に突き詰めて歌ってしまうような?

でも上手いんだな。このように弾くということが、どんなに大変なことか、弾いたことのある僕にとっては痛いほど(?)分かる。この曲、多少の溜め・・・のようなものがあると弾きやすいし、それが魅力的な表現の一つでもあったりする。でもキーシン、ほぼインテンポというか、溜めない。さすが完璧キーシン。それでもって表面的とか、弾き飛ばしていますのようにはキーシンだから絶対にならない。つまり完璧なわけです。

良きピアノ演奏、目指すべきピアノ演奏・・・みたいな?このような演奏は審査員、ジャッジの評価が高いような?「ザ・ピアノ演奏」のような?世界が目指す「ザ・ピアノ」のような?

でも、抜け感が欲しいような?別にキーシンにとってはスクリャービンでもラフマニノフでもよかったような?なぜサルスエラなのだろう?ラレグラなのだろう?そのような疑問をふと感じたりはする。

kaz




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