ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

Merry Christmas! そしてHappy Hanukkah! 

 

大晦日の夜、テレビでは神社やお寺に参拝する人を映す。凄い人だなと思う。でも「こんなに神道を信仰している人がいるんだ」とか「仏教徒って多いんだぁ」などとは思わない。多くの人は数日前にクリスマスを楽しんだのではないかな、そこに違和感は感じない。「なぜ仏教を信仰しているのにクリスマスにケーキなの?」などとは思わない。日本人って、そのあたりおおらかなのかもしれない。

個人的には、このおおらかさは悪いことではないように思う。クリスマスが近づくにつれ、街はライトアップされ、どこかウキウキした気分に・・・楽しいじゃない?などと思ってしまう。初詣も気分的にシャンとなるし、いいじゃない?両方楽しめばいいじゃない・・・と。僕が無宗教だからそう思うのか、そもそも無宗教だと、クリスマスも正月の初詣も辞退すべきなのだろうか?

アメリカに住んでいたころ、孤独な留学生を不憫に思ってか、「クリスマスはどうするの?よかったら僕の実家で過ごさない?」などと言われることが多かった。僕はクリスチャンではないけれど、ちゃっかりとクリスマスムードは満喫させてもらった。ツリーが灯り、外は完璧なるホワイトクリスマス、クリスマスソングを歌い・・・みたいな。

アメリカ滞在の後半は、ルームメイトがユダヤ人だったこともあり、彼とクリスマスシーズンを過ごしたこともある。でも彼はユダヤ教を信仰しているので、クリスマスを祝うことはない。キリスト教徒にとってのクリスマスシーズン、ユダヤ教徒は、たしかハヌカというものを祝ったと記憶している。なのでツリーもサンタクロースもなかった。「ハヌキア」という燭台のようなもの(燭台か?)を飾っていたのは記憶がある。

ルームメイトでも小さなプレゼントを贈り合ったりした。彼はプレゼントを僕に渡しつつ、こう言ったのだ。「Merry Christmas!」と。僕は何の疑問も感じず、プレゼントを受け取り、そして僕からのものを彼に渡した。僕も「ありがとう、Merry Christmas!」と言った。

今、後悔していることがある。彼はユダヤ教徒だったのだから、このような場合、「Merry Christmas!」ではなく「Happy Hanukkah!」と言えばよかったなと。もし、そのような小さな知識が当時の僕にあれば、彼も喜んだのではないかな・・・と。

ルームシェアの広告を見て僕は彼と同居することになった。なかなかシェアを希望する人が現れなかったらしい。ブロンクスという、一般的には治安のよろしくないとされている地域だったということもあろうが、実は彼はヨーロッパ人からの申し込みを一切拒絶していたのだ。なのでなかなかシェアする人がいなかったのだとも思う。

「君は日本人だね?仏教を信仰しているのかな?」「いや、無宗教なんだ」「僕は・・・実はユダヤ人なんだ。だから分るよね、ユダヤ教を信仰している」キッパを被りながら彼はそう言った。そしてこうも言った。「君たち東洋人は西洋の宗教に関しての偏見がないように感じる。僕はヨーロッパ人が苦手なんだ。大嫌いだ」

「Happy Hanukkah!」と返してあげたかったと思う。

僕がアメリカに滞在していたのは、かなり昔のことだ。10年以上前になるだろう。考えてみれば、その頃でもボストンやニューヨークのような東海岸の大都市では、あまり「Merry Christmas!」と人々は言わなかったような?たしか一般的には「Happy Holidays!」という言葉が普通だったと記憶している。これなら宗教色がないからね。

でも、最近のアメリカでは「Merry Christmas!」という言葉を気軽に発してしまうのは、禁句、ご法度的な雰囲気もあるらしい。職場などでこの言葉を発してしまうと「あの人ってなんなの?」みたいな?

言葉狩りみたい。極端だなと思うし、これはこれで寂しいような気もする。

もうすぐクリスマス。

Merry Christmas!

そして

Happy Hanukkah!

kaz




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コメント

 

Merry Christmas!

いちばん最初からすべて読ませていただきました。
たくさんの勇気をもらいました。ありがとうございます。

私はいわゆる、趣味で弾いてる人、アマチュア、愛好家です。
他人から見れば、拙いピアノです。
でもきっと、ピアノを弾いて生きていくのだと思っています。続けられる限り。

生きているといろんなことがありますね。
音楽はいつも与えてくれます。
シューベルトの「An die Musik」を想います。

実際にピアノに向かうこと自体の中にも、いろいろありますね。
単純に、ああ、しんどいなあ、とか。
先生との関係も、私の場合、段々と難しくなってきたなあと。

kazさんのような方がいらっしゃることを知って、本当にうれしいです。
いつかkazさんの演奏を聴きたいです。応援しています。

nonja #- | URL | 2016/12/24 22:21 | edit

nonjaさま

まさに「音楽、ありがとう」なんですよね。

すべてがそこから始まるというか。人から自分の演奏を褒めて頂いた時、むろん嬉しいですが、自分がどう弾けたということよりも、「ああ、あなたも音楽が好きなんですね、同じ気持ちなんですね」という感覚でしょうか。

なので人はピアノを弾いて生きていく。死ぬまで・・・

「音楽、ありがとう」だから。

kaz #- | URL | 2016/12/25 00:02 | edit

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