ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

憎悪ではなく愛で・・・ 

 

「愛の小径」は「レオカディア」という劇のために作曲された。1940年のことだ。当時、プーランクはパリから200キロ離れたノワゼーという村で暮らしていた。生粋のパリっ子であったプーランクはノワゼーで、愛するパリがナチス・ドイツに占領されたことを知ったのだ。エッフェル塔を背景に写真に写るヒトラー、パリの街にハーケンクロイスがなびく様子などを知ったのだろう。

パリは暴力では死なない。愛の街は決して死なない・・・フランスは憎悪ではなく愛で応える・・・

誇り高かったプーランクは、憎悪ではなく愛によって自分の誇りを表現したのではないか、「愛の小径」はプーランクにとって、パリそのものであり、愛そのものであった・・・

フランス人としての誇り、パリっ子としての誇り、音楽家としての誇り、人間としての誇り・・・全部だろう。

暴力に対して、憎悪ではなく愛で応える・・・

2015年、パリで同時多発テロがあったとき、被害者の遺族の男性が、あるメッセージを発信した。テロで妻を殺されたアントワーヌ・レイリスという男性だ。彼と同じように、プーランクも憎悪ではなく愛によって暴力に抵抗した。それが「愛の小径」ではなかったかと・・・

アントワーヌ・レイリスさんがテロリストに発したメッセージは次のようなものだった。


あの夜、あなたたちは特別な人の命を奪いました
私が生涯をかけて愛する人であり、私の息子の母親です
しかし、あなたたちは私に憎しみを抱かせることはできません
私は、あなたたちを知らないし、知ろうとも思いません

私は、あなたたちの願い通りに憎しみを抱いたりしません
憎悪に怒りで応じれば、今のあなたたちのように
無知の犠牲者になるだけです

あなたたちの負けなのです
彼女は私たちと共に生き続けます
そして私たちは再び自由に愛し合える楽園で会えるのです
そこは、あなたたちが入れない場所です

私と息子は二人きりですが、世界中のすべての軍隊よりも強い
彼は生後17か月。普段通り食事をし、私と遊び
そして幸せで自由な人生を過ごすことで、あなたたちに勝利するでしょう
彼も私と同じように、あなたたちに憎しみを抱くことはありませんから

あなたたちの負けなのです

2015年 11月16日  アントワーヌ・レイリス




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