ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

保持練習 

 

自分の音は何かが違う、音を出す際の基本的な法則を知らない、むろん、そのままでもピアノは弾けるし、楽しければ・・・と開き直ることもできようが、やはり自分の頭で鳴っている理想のサウンドと、実際に自分で出している音とのギャップ、これを感じながらピアノを弾くのは辛いものがあった。

日本楽器(ヤマハですね)の銀座店、楽譜を購入しようとしていたのだと思う。そして偶然にある楽譜を手に取ったのだ。目に入ってきたので、棚にあったのではなく、目立つように置かれていたのかもしれない。

「ドホナーニ  指の練習」という楽譜だった。ピッシュナのように指を保持して・・・という感じの楽譜というか教則本だった。完全なる指練習の為の本だった。

「ドホナーニ、ドホナーニ、どこかで聞いたことがあるような・・・」

中村紘子がジュリアード音楽院に留学し、初のレッスン。ロジーナ・レヴィーンのレッスンで、彼女はこう言われたのだ。「まぁ、なんという才能でしょう、音楽的だこと。でもその弾き方は基礎から直しましょうね?」と。その後、曲は弾かせてもらえず、ひたすら指の上げ下げというレッスンだったと。その時に与えられた教材が「ドフナニー」だったのではないか?英語読みだとドフナニーだが、それって今手にしている「ドホナーニ」なのでは?

大雑把に説明すると、右手の124の指でドレファと鍵盤を押し、それを保持したまま、残った35の指でミソミソ・・・と弾くというか、押していく。やってみれば分かるけれど、かなりハードではある。保持が困難なのだ。この種の拷問(?)が延々と続くのだ。

とりあえず、購入した。やってみて、むろん「これはハードだな」と思ったが、指先にテンションを集め、指の付け根から意思を指先に伝えるというか、その感じは保持練習によって、感覚として掴み易い気がした。

これは応用できるかも。なにもドホナーニ教則本を制覇したいわけでも、ハードな練習をしたいわけでもないのだ。ある種の感覚、弾き方の感覚をつかみたいのだ。音として散ってしまい、バシャンとした音、どこで弾くという身体の部位にしても、指先なのか、腕全体なのか今ひとつ自覚も意識もなく、その場その場、行き当たりばったりで弾いているという感じがイヤだったのだ。曲としての輪郭さえ伝えられなかったのだから・・・

ドホナーニの他に、実際の曲、むろん全曲というのは無理だから、ある箇所を取りだして、保持練習、兼感覚練習をしたりもした。その時はブルグミュラー25練習曲などで練習してみたものだ。例えば、「アラベスク」とか。音だけだったらチャラチャラ(サラサラ?)と弾けるけれど、最初の左手のラドミの和音、ただ弾いてしまうと、バシャバシャとした散った音になってしまうので、指先集中感覚を研ぎ澄ませ、保持練習をしたりした。42の指でシレの鍵盤を押し、固くなったりせずに、531でラドミの和音を弾く、それもクリアな音で。これは相当難しい。4と2の指がブルブル震えてきて保持できない・・・

保持できるように・・・が目的ではなかった。指で弾くという感覚を知りたかったのだ。ただ楽譜をそのまま弾くよりも、保持した状態で弾いた方が、ハードではあるが、何かをつかみやすかったのは事実だ。

○指先と鍵盤が密着しているような・・・
○バタバタとしてはいけない・・・
○指のアジリティという面も促進していかなければ・・・
○具現化の第1歩は、まず鍵盤に触れてから押す、移動と同時に鍵盤を押すと、大雑把な音、偶然にまかせたような、つまり、いきあたりばったりの音しか出せない、また手指やその他部位の、つまり自分の都合によって音がその場その場で決まってしまうので、音楽そのものをサウンドとして形成できない・・・

こんなことを考えながら、ピアノを再開したように思う。初めは先生も見つからなかったから、独学だ。

今でも、この種の保持練習はパッセージの練習とか和音連続の練習で、やったりはしている。

それにしても、感覚的なこと、弾き方のことなどを文章にするというのは、なんて難しいのだろうと思う。読んでいる人に僕の言いたいことが伝わっているとは、とても思えない。また、保持練習は、僕の場合、あの時の僕の状況に合っていた、少なくとも自分ではそう感じているということで、別に他人様にお奨めしているわけではない。

人それぞれのやり方があろう。でも一つ、なんだか上手くいっていないという場合は、必ず理由があるはずなのだ。その人が気づいていないのかもしれないし、先生も気づかないのかもしれない。でも何かある。ここで「どうせ私は才能ないし」「まっ、プロになるわけじゃないしね」と自己の中で無理やり解決してしまわないことだと思う。

必ず理由はあるのだ。そう思うだけで漠と悩むよりは楽なんじゃないかな?

kaz


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コメント

 

保持練習

kazさん初めまして。毎日楽しみに拝見しております。kazさんの音、どんな音なのでしょうかと、思いながら読んでいます。

私もピアノを弾きますが、ピアノの状態によっては、なかなか響かない事も。でも、高い周波数?といいますか、だんだんと高い周波数が聴こえるように弾ける指というのになるためには、結構耳力を鍛えないといけなくて、私も最初は、響きが違うということさえもわかりませんでした。そこからの指という流れになりました。

kazさんのお話、とっても共感します!!

でも、なかなか普段、このような話をピアノ経験者や、先生、親御さんにしても、何故か伝わりにくいですーそれは、私がそうだったように。バシャンと弾く事にも疑わず、ただ強弱だけ。。。。ここからの脱却には時間がかかりましたね。

そして、ホールの高級なピアノでさえも、響かない?倍音が少ないピアノも多いです。少し狂った位が有り難いのに笑とまでも思ってしまいます。その方が、自分が出来ることが多いし、音色も変化しやすい。

kazさんの記事どんどんやってください!!動画なんかも期待してます!!顔出ししなくてよいから!応援しています!

うたちゃん #- | URL | 2016/11/03 23:52 | edit

うたちゃんさま

コメントありがとうございます。

たしかに「強弱」という観念しかないと、「こんな音はイヤだ」という感覚は、なかなか持ちにくいのかもしれませんね。

よく弾きこんであるのに、そしてミスも少ないのに、「ああ、これで音が集中されたクリアな、ベチャンとした音でなければ・・・」と感じてしまう演奏は多いような気がします。実に惜しい。

kaz #- | URL | 2016/11/04 10:12 | edit

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