ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

ホームコンサート 

 

かつて東京でリシャ-ル・ガリアーノを聴いた。会場は「ブルーノート東京」というライヴハウスのような所。ここが良かった。ドリンクとか、ちょっと(かなり?)高いが、クラシックの音楽会のように、咳もできない、狭い椅子に固まっていなければならない・・・ということはなく、演奏と会場、聴衆、食べ物や飲み物、それらが一体となって一つになっていた。音楽を楽しむという雰囲気に満ち満ちていた。

テーブルが設置されていて、飲み物などもサーブされて、椅子の配置などの関係で、聴き手は全員舞台正面を向いてはいない。これは大きいような気がする。空気が柔らかくなるというか?

クラシックの曲って長い曲も多い。演奏者も、つい(?)頑張ってしまうのか、大曲並べをしがちだ。シューベルトの最後のソナタとショパンの24のプレリュード、後半にドビュッシーのプレリュード・・・みたいなプログラムだと、どうしても聴き手は長い時間身動きできない。飲食可だとしても、どこで飲んだり食べたりすればいいのだろう?

演奏者の心構えもあるのかもしれない。高尚なクラシックの演奏者は、作品と対面しすぎてしまう傾向はないだろうか?「お客さんはカボチャと思え」みたいなところはないだろうか?「聴き手?難所のことが心配でそれどころではないの・・・自分のことで精一杯なの!」みたいな雰囲気が舞台から発せられると、聴き手も固くなってしまう。空気が分断されてしまうんだよねぇ。

必死の形相で鍵盤と格闘している・・・これは曲の合間などにトークを入れると、雰囲気は和らぐように思う。でもシリアスな曲、ベートーヴェンの後期のソナタにトークというのもねぇ。トークも曲によるだろうし、トークを加えると、演奏に集中できなかったりする。演奏しながら次のトークのことが心配になってきたりするんだよね。ひたすら弾き続ける方が何倍も楽であるような気はする。

サンドロ・デ・パルマというピアニスト、チマローザの記事で紹介したが、この人のコンサート、自宅でのコンサートのようだが、これが実にいい雰囲気だ。食べ物、会話、部屋の調度や照明、そして演奏、それらが一体化して、一つの「文化」となっているような?この動画でメンデルスゾーンの「イタリア」が流れる瞬間など、「ああ・・・文化の違い!!!」などと思ってしまうが、でも、これって住環境の違いもあるのでは?

彼の自宅の窓から見える風景、ローマ・・・だよね?文化遺産を見下ろしながら生活している?なんとも贅沢だ。音楽とは関係ないが、西洋人は間接照明の使い方が上手だ。天井に照明・・・という固定観念を日本でもそろそろ終わりにすればいいのに。

この自宅コンサートの雰囲気、実にいいと思う。自宅・・・というのは日本では、なかなか難しいとしても、サロン風の会場などは、一昔と比べれば随分と増えているような?もしかしたら大都市だけの傾向かもしれないが、これはあることを予感させる。

サロン文化の復活。具体的には、30~40人ぐらいの聴衆と、ホールというよりは大きめの部屋のような場所でのコンサートが増えるということは、忘れられていたロマンティックな小品の復活ということもあるのではないかと予想する。シューマンの幻想曲を弾き、ラフマニノフのソナタを弾き、展覧会の絵を弾き・・・というプログラムよりは、小さな作品に光が当たっていくようなプログラムの復活。例えばレヴィツキとかパデレフスキのような往年のピアニストの作品など・・・

会場、つまり器が変わり、聴き手の人数も少人数になり、さらに演奏する曲などの傾向が変わっても、演奏者の意識がそのままだと辛いことになりそうだ。30人の聴き手、近い距離、一体感・・・でも肝心の演奏者が鍵盤と格闘し、ガチガチと弾いていたら、そりゃあ辛いだろう。聴き手が・・・

原智恵子の言葉を重く感じたりする。「演奏者は聴き手がどう感じたかを知らなければいけないの。自分がどう弾けたのかは関係ないの。聴き手がどう感じたかが重要なの。覚えておきなさいね」

kaz




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category: リサイタル

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コメント

 

いよいよです

kazさん、こんばんは(*^_^*)
いよいよ日曜日はk先生の教室の発表会です。
もうすでに緊張で挙動不審になってるんですが、kazさんの記事を読むと「そうだよね、お客さんは緊張でガチガチになった演奏を聴きたいとか、ミスを待ち構えているわけじゃないものね。せっかく憧れの先生の教室の発表会で素敵なホールで弾かせてもらえるんだし、緊張より楽しんで弾きたいし、自分が楽しいだけじゃなくてお客さんにも楽しんでもらえるような演奏ができたらいいな…。」と思い直します。
いつも良いお話をありがとうございます(*^_^*)

ふわふわ #DL0dExLA | URL | 2016/11/05 00:18 | edit

ふわふわさま

いよいよ明日なのですね。直前練習(?)のバラード第3番、しっかり聴かせて頂きました。

自分が聴き手だったら・・・

それに尽きるような気がします。自分が客席にいたら、どんな演奏を人に期待するか?ミスを数えたりしませんよね。派手に音を外しても人の演奏だったら気になりませんね。

自分が聴き手だったら・・・

そして「私はピアノが好き!この曲が好き!」だから死ぬ思いをして(?)本番を迎えるわけです。

ふわふわさまのショパンが奏でられますように・・・

kaz #- | URL | 2016/11/05 18:10 | edit

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