ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

シベリウスとリンゴの芯抜き 

 

シベリウスの音楽、初めて衝撃を受けたのは高校生の時ではなかったか?ヴァイオリン協奏曲、交響曲の2番だったと思う。あとはグリュミオーのレコードにシベリウスの小品が収録されており、それもその頃は愛聴していた記憶がある。

とても強い音楽と感じたものだ。「決して我々は屈しない」のような?ショパンのポロネーズにも同じような雰囲気を感じていた。そこには祖国愛のような、祖国への誇りのようなものも感じた。シベリウスの音楽からそのような気迫を感じた青年が辿る道は「カレワラ」ということになるだろう。フィンランドの民族叙事詩のようなものだ。

岩波文庫の日本語訳のものが手元にあるので、当時読んだのだろうか?それとももっと後の時期、大学生の頃だったか、それとも就職してからだったか?記憶は曖昧だ。読んだ時期も覚えていないのだから、当然内容もすっかり忘れている。

加齢というものは、人間から体力と共に、好奇心や探究心も奪ってしまうものなのだろうか?今、上下巻ある岩波文庫を読む気力は今の僕には到底ない。アマゾンで岩波少年文庫の「カレワラ物語」を注文し、今手元にあるが、中学生向きの文章であるにも関わらず、読む気力はなかなか出ない。「勉強は若い頃にしておくべし!」と思う。

今は、お気楽なネット学習。我ながら安易だなと思うし、昔「カレワラ」を読んだ頃の純粋さは失ったものの、その頃だったら素通りしてしまったような、なんでもないようなこと、雑学に惹かれたりする。シベリウスの、ちょっとしたエピソードとか・・・

ヘルシンキという街を訪れたことはないのだが、カウリスマキ映画などからの街の印象では、東京やマンハッタンと比べたら、随分と田舎であるという印象。シベリウスは、それでも「喧噪」というものを感じたのか、首都ヘルシンキから田舎に引っ越している。その住居をアイノラという。夫人であるアイノからきているものらしい。アイノ夫人は良妻賢母として知られており、今でいう「カリスマ主婦」のようでもあったらしい。五か国語に堪能で、家具なども自分で設計図を引き、作ってしまったとか?若い頃のアイノの写真を見て非常に驚いた。とても美しい人なので。今でもスーパーモデルとして通用するのではないか?それほどの美しさだ。

フィンランドを訪れたことはないので、当然アイノラにも行ったことはないが、写真などで見る限り、とても居心地のいい住居のように見える。作曲中は静寂を周囲に求めた(強要した?)シベリウスだから、アイノ夫人や子どもたちは大変だっただろうが、アイノラ周辺の環境、そしてアイノラという住居そのものも、居心地のいい静寂という感じで素晴らしい感じだ。

シベリウスというと、どうしても晩年のスキンヘッドでこちらを睨みつけている(?)ような写真を思い浮べてしまう。なので余計にそう感じるのかもしれないが、いくつかのエピソードを知ると、なんだか意外というか、微笑ましくも感じる。

夫妻は、料理は人にまかせていたようだ。使用人だろうか?でもシベリウスは、フィンランドでは御馳走である生野菜のサラダなどを友人に提供する時は、自分でドレッシングを作っていたらしい。なんだかとても意外だ。シベリウスの料理レシピ本があるらしい。英訳本もあるらしい。どんなレシピなのだろう?興味がある。

アイノラには水道がない。シベリウスが水の流れる音を嫌ったとか?どこまで静寂にこだわった人なんだろうとも思うが、そしてアイノ夫人も井戸水でやりくりしていたと思うので、大変だっただろうとも思う。そんなアイノラにもサウナがある。シベリウスはアイノ夫人が蓄えた貴重な水をふんだんに使用しサウナを楽しんだとか?

アイノラのキッチンの写真にはリンゴの芯抜きが写っている。シベリウスがアメリカ滞在中に購入したもの。「これは便利なものだ。アメリカには色々な物が売っているものだ。簡単にリンゴの芯が取れるなんて、アイノも喜ぶのではないだろうか?買っていってやろう」とでも思ったのだろうか?なんだか微笑ましい。スキンヘッドのシベリウスがそう思い、はるばるアメリカからアイノラまで運んだというのが微笑ましい。

リンゴの芯抜きをシベリウスがアイノ夫人に買ったなんて、どうでもいい情報なのだろう。少なくとも、それを知ったからって、シベリウスの曲が上手に弾けるわけでもないだろう。でも年齢を重ねると、「買っていってあげよう」というシベリウスの感情のようなものを、曲の中から感じることが若い頃よりは容易になる、それはあるかもしれない。

アイノ夫人、現代であれば、天才を支えた美貌の人・・・として女性雑誌に登場していたかもしれない。彼女は五か国語に堪能だったというが、どんな家庭で育ったのだろう?

アイノ夫人のお兄さん、シベリウスにとっては義兄ということになるが、アルマス・ヤルネフェルトという人がいる。音楽史の中ではシベリウスと比べたら無名の人なのかもしれないが、この人も作曲家だった。お兄さんの曲などを聴いてみると、どのような環境でアイノ夫人が育ったのかが、少しだけ理解できるような気がしてくる。

kaz




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