ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

ムーミン谷の文化 

 

来月に、ある会でピアノを弾く。日本グリ―グ協会なる団体の主催で、演奏曲はグリーグの作品、或いは北欧の作品と決められている。「北欧かぁ・・・」

館野泉というピアニストの影響で、日本にも北欧のピアノ曲は知られるようになった。とは言え、僕はあまり知らない。非常に限られた知識の中で選曲をしなければならなかったわけだが、いくつかの候補曲に絞る過程で、何故かフィンランドの作曲家に惹かれる自分がいた。「フィンランドの曲を弾きたい」という意思が初めからあったわけではなかった。でも偶然に候補曲がフィンランド作品だった。何かしらの魅力を感じたのであろう。

最終的にはメリカントとカスキの曲に決めた。

ヘイノ・カスキ・・・なんとも日本的な響きのする名前ではないか?「平野さん」なんて実際にいそうだし。親近感?どこか日本文化とフィンランドはつながりがあるのだろうか?

フィンランドと言えば、まずはシベリウスということになるだろう。でもいくつかのシンフォニーと「フィンランディア」のような管弦楽曲、そしてヴァイオリン協奏曲を知っているに過ぎない。その他のフィンランドの作曲家の作品なんて、ほとんど知らない。そもそもフィンランドという国にも馴染みがない。首都はヘルシンキだよね・・・ぐらいは分かるけれど。

「ムーミン」は、たしかフィンランド生まれだよね。作者のトーベ・ヤンソンが女性であるということも、そしてレズビアンであったことも知らなかった。パートナーはグラフィックデザイナーだったらしい。共に「ムーミン」を生み出したのだろうか?そうだとしたら素敵だね。個人的には子どもの頃はスナフキンが好きだったな。孤高の人のような感じがアニメには珍しい。

「大切なことは、自分のやりたいことを、自分で知っているということなんだよ」スナフキンの名セリフだね。

厳しい寒さ、白夜、オーロラ、ムーミン、大胆なデザイン・・・これぐらいしかイメージがわかない。どこか「北の人々」という漠としたイメージだろうか?

映画監督にアキ・カウリスマキという人がいる。彼の映画は大好きだ。小津映画が好きな人は惹かれるんじゃないかな?彼は、たしかフィンランドの人ではなかったか?カウリスマキ映画で僕の好きな映画の一つに「浮き雲」という作品がある。

夫婦で失業してしまうわけです。フィンランドも不景気なわけです。二人で協力してレストランを開店する。初めは、なかなか集客できない。「失敗だったか???」ラストに、やっとレストランも軌道に乗った感じになる。そこで映画は終わる。それだけのストーリーなのだが、なぜか泣かせる。

決して感情過多にならない。カメラワークもだが、登場人物も。失業しても大袈裟に嘆くわけではない。レストランが軌道に乗っても華やかな音楽が盛り上げるわけでもない。二人が抱き合って歓声を上げるわけでもない。淡々としているのだ。でも泣かせる。

これは「浮き雲」のラストシーン。レストランは軌道に乗った。良かった。妻が外に出て煙草を吸いながら空を見上げる。夫も出てきて空を見上げる。ただそれだけだ。でも、その表情、これが「フィンランド」なのではないか?この二人の表情、そのような表現をしたカウリスマキ、そしてピアノ曲、それがフィンランドなのかもしれない。

kaz




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