ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

集中している音 

 

昨日のMegumiさんの演奏の続き。間合いという、どちらかと言えば横の流れと、もう一つ感じたのが、縦の瞬間についてのタッチ感覚のこと。多くの人は鍵盤の底まで狙ってしまうので、なんとなくガツンと弾きすぎてしまうような印象がある。そうではなく途中狙い?むろん、結果的には底までは弾くのだろうが、最初から底を狙ってしまうと弾きすぎ?そうなるとコントロールのない独特のバシャンというか、散ってしまうような混濁したような音になってしまうような?結果的には平面的な演奏になってしまうような気がする。

「鍵盤の底までしっかり弾きましょう」という伝え方では、そうなってしまうのでは?丁寧に押す・・・という感じ?専門用語というか、業界用語で「そば鳴り」という言葉があるらしい。楽器の近くだとガンガンとうるさいほど聴こえるが、ホールの後ろまでは響かない・・・という音。Megmiさんの音には、それがないのだ。

バシンという底狙いのタッチの音って、重力だけでコントロールがない感じ?それがない。コントロールされた音なので、練られた音というか、絞られているので、混濁感がない。音の多い曲ほど「うるさくなる」「音量がコントロールなしに増大してしまう」ということがない。曲の輪郭が常にクリアというか。

底まで打ち下ろすという意識だと、ストン、バシンという感じになってしまい、偶然性だけに依存してしまうことになるような?聴き手としてはそう感じる。

「ピアノって打楽器だから・・・」

そうなのかもしれないが、歌っているピアノ演奏もあるのだよ・・・と昨日は感じたのだ。ハンマーが弦を打つと、音は減退していく。増量はできない。でもMegumiさんの音はヴァイオリンみたい・・・などと思ったのだ。

帰り道、そして帰宅後、夜中、コズロフスキーの他に想った演奏家。ヘンリク・シェリング。「シェリングみたい・・・」と。ピアノでもタッチしてから音を大きくしたり、小さくしたりできるような、もちろんできないが、聴き手はそのようなことが起こっているような錯覚を感じてしまうような音の出し方だったのだ。あたかもシェリングのヴァイオリンのように・・・

昨日の演奏会には友人も誘った。クラシック好きではない。むしろ苦手。「堅苦しくてね。敷居が高いし・・・」そのような人だ。でもMegumiさんの演奏には惹かれると言う。「白鳥の湖?えっとショパン?」などという人だ。でもヴンダーリヒの歌唱で涙することのできる人でもある。

「音の集中力が他の人と違うよね・・・」と彼は言った。この言葉は超素人の戯言とは僕は思ってはいない。

演奏会後、その友人と食事をした。

「クラシックを日常的に楽しむ人、オタク的に知識はなくても、自分で楽器など触らなくても、休息時にクラシックでも聴いてみようかと生活の中に組み入れている人、割合は3%なんだって。多くの97%の人は堅苦しいとか苦手、難しいなどと思っているんだって」

「だって堅苦しいもん・・・」友人はそう言った後、このように続けた。

「でも今日のMegumiさんのような演奏をする人が増えれば、その割合も3%から40%ぐらいには増えるんじゃない?」

kaz




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category: あっぱれ麗し舞台

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コメント

 

ありがとうございます。。

遅くなりましたが、kazさんも、お友達も、本当にありがとうございました。

kazさん、凄いシンクロなのですが、ご主人と来てくださった方から、
ヴァイオリンを弾かれるご主人が、同じようなことを、つまり、
音が減退しないのでピアノじゃないみたいな音だと仰っていたとメール頂きました。

響く音は伸びて聴こえるのですが、その辺は、習っただけではなくて、
主催する演奏会のリハなどで実験を重ねて結論を得たことなので、
それを聴いて頂けて嬉しいです。

kazさんのお友達も、凄いですよね。直接お話しした時に言ってくださったのも、
「間」の前と後の繋がりといったことで、音楽が分からない方の発想ではないですし、
「音に集中力」と言うのも、一音を出すことに拘って集中している私としては
目指しているものを聴きとって頂けて感動です。

お友達の方、先日のチャリコンで初めて話しかけてくださって、
また聴きたいとも言ってくださっていたのですが、
本当に、来てくださって、大変嬉しかったですし、何より、視点(聴点?)が嬉しいです。
くれぐれも宜しくお伝えください。(^_^)

いつでもリンクOKと言って頂いたので、前記事、リンクさせて頂いています。
この記事もさせてくださいね。よろしくお願い致します。

Megumi #3/2tU3w2 | URL | 2016/09/02 19:32 | edit

Megumiさま

こちらこそ素晴らしい演奏をありがとうございました。豊潤な響きの中に、クリスタルな音が浮かび上がっている・・・これが僕なりのピアノ演奏に期待するものなのですが、有名ピアニストでも、なかなか聴くことはできないサウンドなのかなと・・・皆さん、平べったいんですよね。

友人ですが、ブンダーリヒの歌う「詩人の恋」で号泣した人でもあります。もちろん、「詩人の恋」というタイトルも、そしてブンダーリヒという歌手も忘れてしまっていると思いますが、感性は素晴らしいと僕も思います。それだけ正直というか、演奏に対して厳しい耳を持っているのかもしれませんね。

kaz #- | URL | 2016/09/03 00:28 | edit

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