ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

クライ・ミー・ア・リヴァ― 55 

 

演歌や歌謡曲って、オリジナルの歌手のイメージが強いように思う。クラシックの曲の場合、そりゃあ名演として語られているようなものもあり、この人の演奏でなければ・・・ということも、ないではないという気もするが、他のジャンルに比べると、意外と誰の演奏でも受け入れ可能というか?ショパンのバラードなんて何種類の録音が存在しているのだろう?仮に「この演奏以外は好きになれないかも」という程好きな演奏があったとしても、そのピアニスト以外の人が演奏したら、「許せない!」と思うことはないように思う。少なくとも、僕はない。

歌謡曲の場合はある。天地真理の「恋する夏の日」を今のアイドルの誰かがシングルカットして歌うなんて、何故か許せない感じだ。オリジナル歌手のイメージが強いのだ。「恋する夏の日」は真理ちゃんの声、真理ちゃんの笑顔、真理ちゃんの振付でなければならないのだ。

そのようなオリジナル歌手と曲との関係が歌謡曲や演歌は強いような?「津軽海峡冬景色」は、やはり石川さゆりなのでは?「悲しい酒」は美空ひばりなのでは?懐かしの歌謡ステージのような番組で聴いたり、カバーとして聴くのは許せるけれど、自分の持ち歌として過去の名曲でヒットを狙うということになると、かなりの歌謡曲(歌手)に違和感を感じるような気はする。クラシックの場合は、楽譜に忠実ということも関係しているのだろうか?歌謡曲やポップスの場合、過去の名曲を歌う場合でもアレンジによってサウンドはかなり異なったりするから、オリジナルとの距離感を感じやすい?

マイケル・ブーブレとバーブラ・ストライサンドのデュエットについて書いた。正直に書いてしまった感はある。バーブラさすが・・・みたいな?ブーブレファンが読んだらいい気持ちはしないだろうと思う。と同時に、相手がバーブラなら仕方がないかも・・・と思う人も、これまた多いのではないかとも思う。マイケル・ブーブレはバーブラとデュエットをするくらいなのだから、見事な歌唱力を持っている。さらに、若いながら、スタンダードを中心に歌っている珍しいタイプの歌手でもある。スタンダードを歌うリスクとしては、オリジナル歌手と比較されることも多いということだ。祖父の歌うスタンダードを聴いて育ったらしいから、ブーブレ自身もスタンダードに対して近しいものを感じるのだろうし、比較されてしまうという状況は意識しているだろう。

ブーブレのソロでのスタンダードを、きちんと聴いてみると、これがなかなかいい。でもある年齢以上の人が聴いたら、そりゃあオリジナルの歌手と比較してしまうだろうとも思う。曲そのものの他に、歌手のイメージが強いわけだから、ブーブレという歌手は、かなり困難なことを実行している歌手とも言える。比較されてしまう歌手の多くは伝説的な歌手たちなのだから・・・

「クライ・ミー・ア・リヴァ―」という名曲がある。この曲のオリジナル歌手はジュリー・ロンドン。確か1955年のヒット曲だったと記憶している。この曲はジュリー最大のヒット曲であると同時に、スタンダードナンバーということにもなる。オリジナルのジュリー・ロンドン、そしてカバーしたバーブラ・ストライサンド、マイケル・ブーブレのバージョンを順番に聴いていきたいと思う。結構面白い。面白いが、ピアノのお勉強というか、ピアノの演奏に役立つこととも思えない。でもクラシックの曲を演奏するって、どこか「カバー」みたいなところがある。あまり意識しないけれど・・・

ジュリー・ロンドン、倒れそうになるほどの美貌の持ち主だ。もともとは女優だった。ただB級映画の女優。「クライ・ミー・ア・リヴァ―」のヒットがなければ、もしかしたら忘れ去られる運命にあったかもしれない。

ハスキーで妖艶な感じの歌唱だ。人によっては容姿と歌声とのギャップにゾクゾクするらしい。分かる感じがする。非常に魅力的だ。1955年当時、この歌唱は相当刺激的というか衝撃的であったに違いない。ジュリー・ロンドンが歌ったからヒットしたという感じすらある。この声以外の、この歌い方以外の「クライ・ミー・ア・リヴァ―」なんて想像がつかないほどだ。それぐらいに印象に残る歌唱。でもカバーするからには、自分の歌として歌うからには、それで終わってはいけないのだ。その部分をバーブラやブーブレはどう解決しているのだろう?それとも解決していない?

実に妖艶だ。この曲の歌詞内容は、かなり演歌調というか、怨み節的なところがあるのだが、そこはジュリー・ロンドン、こんな怨みもあるのねと思わせる。個人的には、もう少し激しさが欲しいとも思う。こんな感じで怨みを歌われたら、それはそれで怖い感じもするが・・・

kaz




にほんブログ村


ピアノ ブログランキングへ
スポンサーサイト

category: The Singers

tb: --   cm: 0

△top

コメント

 

△top

コメントの投稿

 

Secret

△top