ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

エロティックなヴォカリーズ 

 

ラフマニノフの「ヴォカリーズ」、個人的に好きな演奏はダニール・シャフランの演奏。彼の演奏を聴くと、8歳の時に戻る感じさえしてくる。

8歳の時に、様々なクラシック音楽の偉大な演奏と出逢ったわけだが、その時にテノールのニコライ・ゲッダの歌唱に惹かれた。声の素晴らしさも、むろんあったと思うが、いわゆる「抜き」というか「ずらし」というか、そのあたりが非常にエロティックだと(8歳だが)感じたのだ。フレーズの頂点、普通だったらフォルテで表現するところ、そして聴き手も無意識にそうなるであろうと期待しているところで、あえてピアニシモにしたりする。その絶大なる効果・・・

音量だけではなく、0.001秒ほどの時間軸のずらしも感じられて、思わず聴き惚れてしまった。そこには絶妙なるコントロール、計算があるはずなのだが、あたかも今生まれたばかりのような、その場で思いついたような呼吸のようなものも感じられた。「強調」が上手いのだと思う。基本的に僕は幼い頃から、そのような「強調の担い手」みたいな人の演奏に惹かれる傾向がある。バーブラ・ストライサンドとか、ちあきなおみとか・・・

シャフランの演奏にも、それを感じる。フレーズの閉じ方が非常にエロティックだ。ここに憧れる。

もう一つ惹かれる要因は、哀しさ、切なさと、幸福感というのだろうか、相反するような感情が共存しているような曲、メロディーであり、そして演奏であるということ。

たしかに切なく、胸が張り裂けそうなのだが、そこには導かれるような、光溢れるような、静かな幸福感に満ち溢れている。おそらく、人間の死の瞬間も同じような感覚なのではないかと思う。

8歳の時に憧れた世界、もう40年以上も経過し、我慢(?)してきた世界だ。来月、トライしてみてもいいのではないだろうか?なぜ40年以上も我慢してきたのか?それは「プロだけが可能な世界」とか「アマチュアがそんなことを願うなんておこがましい」とか、そんな思いかな?解放してみたらどうなるだろうか?

kaz




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