ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

デカダンス 

 

先の記事でアーンの「僕の詩に翼があったなら」を歌っていたのはスーザン・グラハムというメゾソプラノ。アーン歌曲を知りたければ、まずは彼女のCDを購入すればいいのではないだろうか?「僕の詩に翼があったなら」ただ一曲だけで生き残っているサロン作曲家という誤った過去の認識を覆すような歌唱ばかりで、おそらく彼女自身の「アーンの他の歌曲も聴いてもらいたい」という熱望を実現したものなのだろう。実に立派な出来栄えだ。

アーンの歌曲は、「僕の・・・」だけに限らず、往年の名歌手たちも好んで録音している。特にマギー・テイト、ロッテ・レーマン、そしてニコライ・ゲッダの吹きこんだアーンの歌曲は、スーザン・グラハムにはない、ある種の魅力を湛えているように個人的には思う。

退廃という要素を感じさせるまでの陶酔感だろうか?デカダンスの魅力というのだろうか?たしかにアーンの歌曲は大袈裟なものではない。軽いサロン的な音楽ではあるのだろう。ブラームスやシューマンの歌曲と比べたら、まぁ、芸術的には劣るのかもしれない。でも魅力的なのだ。歌唱の際に、少しでも「研究」とか「お勉強」というニュアンスを聴き手に感じさせてしまったら、アーンの歌曲の世界はすぐに崩壊してしまう・・・

あとは「道徳的」みたいな賛美があるとアーンではなくなってしまう・・・

官能的なまでに人生を肯定してしまうようなデカダンス・・・

アーン自身の歌唱とピアノ、つまり弾き語り?オッフェンバックの実に爽快な、そして実にデカダンスな歌曲を歌っている。アーンのピアノは実に上手だ。歌は何と言ったらいいのだろう?鍛えぬきましたという歌声ではないのかもしれないが、そこが実に魅力的なのだ。

恋人であったプルーストの「不幸な時にこそ、人は道徳的になる」という言葉を連想させるアーンの歌声だ。実にデカダンス・・・

kaz




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