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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

マイノリティ 

 

イギリスのフィギュアスケートというと、なんとなく「アイスダンス」というイメージが強い。トーヴィル&ディーンの印象が強いのかもしれない。男子シングル、1976年のインスブルック、そして1980年のレークプラシッド、この二つのオリンピックで金メダルを獲得したのは、共にイギリスの選手だった。これがアメリカの選手だったら「そうなんだ」とすんなりと納得してしまう感じだが、イギリスの選手ということで、「へぇ・・・そうなんだぁ・・・」と軽い驚きさえ感じるのは、現在イギリスのシングルのスケーターの演技を観る機会がないからかもしれない。

1976年、インスブルックオリンピックの覇者はジョン・カリー。僕はこの選手の演技が好きだ。なんとも上品で正統的で、どことなくバレエの要素も感じる。彼の演技を際立たせているものは色々とあると思うのだが、どこかマッチョな雄々しさというものとは正反対のところの繊細さみたいなところに惹かれる。

そう思わせる要因なのかどうかは分からないが、ジョン・カリーはゲイだった。彼は44歳でエイズで亡くなっている。ゲイであるということ、つまりマイノリティの世界に属していたことと、彼の演技とは、どこか無関係ではないような気もしてくる。

ジョン・カリーはバレエダンサーに憧れていたそうだ。だが、父親が反対した。

「バレエ?そんなものは女がやるものだ!」

第二の道として選択したフィギュアスケートに関しては、父親も反対はしなかったらしい。スポーツだから・・・だろうか?どこかジョン・カリーの演技には、バレエへの憧れを氷上に乗せたという印象を受ける。

これは想像なのだが、ジョン自身はゲイであることで悩み、苦しんだのではないだろうかと。普通(?)の男の子らしくはない、どこか女々しいとも受け取られるような自分の何気ない動作などを人から、特に父親から指摘されることも多かったのではないか?

「もっと男らしくしろ・・・」「なんだ・・・女みたいだな・・・」

ジョン・カリーはオリンピックでの大舞台、バレエ音楽を選曲している。ミンクスの「ドン・キホーテ」だ。衣装なども、当時としても大胆なまでに古風というか、正統的というか・・・

このフリーは40年前の演技ということになる。たしかにジャンプの難易度などを現在の選手と比較すれば、そりゃあ物足りないところもあるのかもしれないが、なんと柔らかな動き、スムーズな動きなのだろうかと感じる。

ジョンの父親は睡眠薬を飲んで自殺をしている。ジョンが16歳の時だ。むろん、衝撃を受けただろうが、こうも感じる。「ジョンは父親に認めてもらったのだろうか、そう思うことが16歳までにあったのだろうか」と。

「僕のスケートは壮大な終わりのない復讐だ。もう演技を見ることのない父親に向け構築された精神的な美なのだ」 ジョン・カリー

kaz




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category: The Skaters

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