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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

イタリア男の女々しい歌 

 

「帰れソレントへ」とか「オー・ソレ・ミオ」のような曲、たしか中学校の時に音楽の授業で習った記憶がある。その時にはイタリア民謡と習ったような?正確には、このような曲たちは「カンツォーネ・ナポレターナ」と呼ぶ。ナポリ民謡というのとも違うのだそうだ。歌い継がれてきたという意味では民謡でもいいのかもしれないが、比較的新しい歌が多く、作曲者が存在しているからだ。たしかに山田耕作の曲は日本歌曲であって、民謡・・・ではないよな。

なぜナポリという一地方の歌スタイルが極東の地に住む我々にも有名なのか?これはナポリ出身のエンリコ・カルーソーの功績が大きかったらしい。カルーソーはナポリの貧しい地域の出身。その彼が偉大な歌手として大成し、アメリカに進出した。その時に、カルーソーは故郷の歌であるカンツォーネ・ナポレターナを歌った。そしてアメリカから世界に拡散されていった・・・ということらしい。

ここまではイタリア人の友人であるルカの説明をそのまま紹介した。ナポレターナはカルーソー以後、ジーリ、ディ・ステファーノ、コレッリ、ベルゴンツィといった歌手たちが歌い継ぎ、現代に続いている。クラシック系のオペラ歌手がアンコールなどにナポレターナを歌うには、このような歴史があるからだと・・・

むろん、僕はカルーソーやジーリの歌声は生では聴いてはいないけれど、ベルゴンツィとコレッリは生で聴いた。特にコレッリの演奏会は僕が生まれて初めて聴いた生演奏だったので、印象に強く残っている。ルカも僕と同じく、ベルゴンツィとコレッリを生で聴いている。彼はベルゴンツィの印象が強いという。ニューヨークでベルゴンツィの歌声を聴き、「ああ・・・故郷に帰りたい」と強く感じたのだそうだ。

このようなクラシック系の歌手の流れと共に、庶民派というか、歌謡曲的ナポレターナというものも存在する。クラウディオ・ビルラのような歌手が歌うナポレターナの世界・・・

ルカはナポリにほど近いソレントという街の出身なので、ナポレターナを聴くと胸が苦しくなるほどなのだという。おそらく南イタリア出身の人間は皆そうなのではないかと。

ナポリという街は有名ではあるが、イタリアの地方都市に過ぎない。人口は仙台と同じくらい?なぜこの街で多くの有名なナポレターナが生まれたのだろう?ここからは再度ルカの説明そのままを書く。ナポリ(ソレントなどもそうらしいが)では何とか(忘れてしまったが)という祭りの日に信者が自分の作曲した歌を教会に奉納する習慣が古来よりあるらしい。歌を奉納するなんて、いかにもイタリア的ではある。この風習が現代風に変化し、コンペティティヴな要素が加味されたものが、日本でも有名なサンレモ音楽祭なのだそうだ。新人が曲と歌唱で競うというサンレモ的な音楽祭はイタリアには多く存在するらしい。

もう一つは、ナポリという街は比較的(非常に?)庶民的で、細い路地が沢山ある。日本でも江戸時代には沢山いたらしい物売り、ナポリにも多かった。彼らは自分の商品を、そして自分の存在をアピールするために、各自で声を磨いた。小さな声、ボソッとした声では商売にならなかった。その「声磨き」がナポレターナという歌に昇華していった。

僕も物売りの記憶は微かにある。昭和40年代の東京下町には、まだそのような物売りがいたのだと思う。ルカもソレントやナポリでの物売りの記憶はあるそうだ。自分の商品を道端に置き、商売よりも声自慢をしているのでは・・・という物売りもいたらしい。街角物売り独唱会のような?

ナポレターナは庶民の心情、ルカに言わせると「イタリア男の女々しさ」(?)を表現したものが多いので、朗々と太陽のように・・・というよりは、本来は女々しさというか、叙情性を感じさせるものなのだという。彼が紹介したくれた歌手にマリオ・アッバーテという歌手がいる。僕は知らなかった歌手だ。

なんという叙情性だろう!

kaz




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