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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

想像練習 

 

練習の合間にアントニオ・ポンパ=バルディのCDを聴いていて感じた。「この人の音・・・綺麗・・・」と。音の鳴る瞬間のポイントを狙った音というのだろうか?

自宅では電子ピアノで練習している(もちろん彼ではなく僕)。「電子ピアノは楽器ではなく電気製品である」のように、電子ピアノの評判はよろしくない。個人的に思うことは、いくつかある。本当だろうか・・・と。たしかに「いかにもキーボードです」みたいなタッチのものだと、いろいろと無理は出てくるだろうと思う。ピアノというよりは電子オルガンに近い、抵抗のないタッチ感のものだと厳しいだろうと思う。でも高級器種であれば、かなり本番にも対応できるのではないか?

電子ピアノの最も不利な点は、ハンマーが弦を打つ・・・という音の鳴る仕組みが分からないこと。もっとも、グランドピアノで練習していれば音の鳴る仕組みというか、イメージを含んだピアノが弾けるとも限らない。鍵盤しか見ていない、鍵盤しか意識していないなんていう人は、グランドピアノで練習している人にだって山ほどいるだろうと思う。あとはペダルが不利だ。やはりダンパーが上がるというイメージがつかみにくいから。でもこれもグランドピアノで練習している人だって、車のアクセル全開・・・のように踏み込んでしまう人は山ほどいる。

電子ピアノで練習している人がよく言うのだが、「アコースティックのピアノで弾くと音がかすれる、全部の音が鳴らない」ということを言う。僕にはこの感覚が理解できない。むろん、タッチがしっかりしないということは多くのピアノ教師が電子生徒(?)に対して嘆くことでもあると思うので、そこのところは頭では一致するのだが、個人的にはアコースティックのピアノだと逆に音が鳴りすぎてしまう・・・と感じる。なぜ反対に感じるのだろう?

電子ピアノでも、あるいは国産の小型、中型の「いかにもしっかりしたグランドピアノ」で日頃練習している人が、発表会とか演奏会で感じるらしいのが、やはり音が大きく鳴りすぎてしまうということ。大概、ホールやサロンに置いてあるのはスタインウェイのピアノだ。この種のピアノって、すごくタッチが軽く感じることはないだろうか?いつもの「しっかりピアノ」のつもりで弾くと、ドカンと鳴りすぎてしまう。鍵盤が軽いと感じる要因としては、音の鳴るポイントが国産の「しっかりピアノ」よりも幾分浅目なのだろうと想像する。

自宅にスタインウェイのD型を備えればいいのだ。練習室は100畳ほどで天井までの高さは5メートルほど。このような条件で日頃練習し、本番では自分のD型を運べば問題はほぼなくなるだろう。でもそんな人・・・いる?

大事なのは臨機応変な対応力と、あとは想像力ではないだろうか?想像力を駆使する練習方法とか、僕はピアノ教師ブログにこれから期待しようと思う。たとえば、ピアノを弾くとは「鍵盤を押す」ではなく、遠くで音を鳴らし絶妙なる瞬間にその音を空気に伝える・・・とか、ペダルは「踏む」ではなく、ペダルでダンパーを開放し音を広げる、あるいは放り投げる、混ぜ合わす・・・みたいな?

本番での自分の演奏を録音するという人は多いだろうと思う。その時、自分の演奏を自分でどのように感じることが多いのだろう?「素晴らしい!」だったらそれでいいと思うのだが、大概は痛恨のミス・・・と泣きたいほどだった箇所は意外と目だたない。けれど、自分では結構歌ったり、抑揚をつけて演奏したつもりなのに、そこが表現できていないなんてことはないだろうか?響きという部分が思ったより貧困で、生の音というか、基音が目立つ。なので「私・・・こんなにウルサイ演奏だった?」みたいな?

電子ピアノで練習しているとそうなってしまうのだろうか?グランドピアノで練習していれば、そのような問題は回避される?そうではないだろうと思う。

想像力が必要なのではないだろうか?誰でも本番での自分の演奏は客席に具体的にどのように聴こえているか、それは聴くことができないわけだから・・・

そのような意味で、ポンパ=バルディのような音色を、想像力を駆使して追い求めることは電子ピアノであっても可能だと思う。

明日のピアノはベヒシュタインちゃんなので、想像力を駆使し、自宅のローランドちゃんでこのようなタッチだと、ベヒシュタインちゃんはどのように反応するだろうなどと練習してみようと思う。

このポンパ=バルディの音、これが理想なんだけどねぇ・・・

kaz




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category: ピアノ雑感

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コメント

 

たいへん興味深い記事でした。
ちょっと感想というか、自分なりに思うことを・・・。


>なぜ反対に感じるのだろう?

電子ピアノ利用者にも2パターンあるんじゃないでしょうか。

①電子ピアノがデフォルトで、「たまに弾く」のがアコースティックピアノなタイプ。
 →「音がかすれる」と感じるタイプ?

 電子ピアノで「ピアノ」を始めて、普段の練習ではアコースティックピアノを
 使わないのが定着している人たち。
 電子ピアノだと、掠っただけでも音が出てしまうから、「ちゃんと弾く」ことを
 意識できてないまま育ってしまう。
 レッスンに通っていても、電子ピアノ利用者特有のそういった現象について
 ピアノ講師は気づいていても注意できない。だって、いくらレッスンで指導しても
 家に帰ってからそれを復習できないのを講師側も知っているから?

 個人的には、①のタイプを生んでしまうピアノ講師が無責任だな、と思います。
 電子ピアノではできないことがわかっていながら、電子ピアノの生徒をとって
 本来指導しなきゃいけないことを指導しないで、
 それでしっかり(アコースティックピアノの生徒と同じ)レッスン料を受け取って
 いるのだとすれば、詐欺だろ?と思いますよ。

 本当に誠実なピアノ講師は、(特に子供で)電子ピアノの生徒はとらないもの
 だと思います。

②現在は電子ピアノを日常的に使っているけれど、
 子供時代にアコースティックピアノを弾ける環境にあったタイプ。
 →「音が鳴りすぎる」と感じるタイプ?

 このタイプの人たちは、子供時代にアコースティックピアノで育っているので
 ①のような現象(音がかすれる)は少ないのではないでしょうか。
 「ちゃんと発音する」ことを教えられて感覚的に身についているから、
 普段は電子ピアノでも、アコースティックピアノを弾く時には、
 ちゃんと音を出せる。
 ただ、普段が電子ピアノなので、「たまに弾く」アコースティックピアノで
 コントロールが難しいだけ?

 Kazさんのおっしゃる「反対に感じる」現象があるのは、
 この①②の違いが原因のように思います。


>鍵盤が軽いと感じる要因としては、音の鳴るポイントが国産の「しっかりピアノ」よりも
>幾分浅目なのだろうと想像する。

 これは、物理的なテコの原理の差があるのでは?
 家庭用のグランドピアノと、コンサート用のグランドピアノでは、
 鍵盤の長さ(見えていない部分も含めての)が違うからでしょう。

 コンサート用のほうが鍵盤(見えていない部分)が長いので、より小さな力で
 発音できるので、演奏する人にはそれが「鍵盤が軽い」という感触になるんですね。

 あとは、調律の問題で、
 家庭用の調律と、コンサートホールでの調律は当然ながら違いますよね。
 
 家庭の小さな部屋に最適に調律された小型/中型グランドピアノで
 日常的に慣れてしまうと、、
 たまに弾くコンサート用ピアノで同じ弾き方をすれば「鳴りすぎる」のは
 当然なのかな?

 あと、国産の家庭向けピアノと、海外製のコンサート用ピアノでは、
 キャプスタンの形状が違うっていうのがありますね。
 なので、国産ピアノを使うと。いわゆる「◯マハ弾き」になって、
 音が大きくなりすぎてしまう?


>大事なのは臨機応変な対応力と、あとは想像力ではないだろうか?

 たとえピアニストでも、自宅の練習部屋がサントリーホール並みって人は、
 おそらくいないのでは?
 結局、臨機応変に、その日の気温、湿度、ホール、ピアノ etc に対応して
 音色をコントロールできるのがプロのピアニストなのでしょうね。

 アマチュアでも、それができる人の演奏は上手だと思いますし。

 だけど、「想像力」っていうのは、どうなのでしょう?

 上記②のタイプのひとなら、アコースティックピアノを使っていたときの感覚を
 想像して、たとえ使っていたのがアップライトだったとして、グランドなら
 こうなのかな?みたいな想像はできるのかもしれません。
 
 だけど、①のタイプだと、相当ハードル高いかもしれませんね。

ぷ☆ #TY.N/4k. | URL | 2016/04/16 23:55 | edit

ぷ さま

コメントありがとうございます。

サークルなどのメンバー、いわゆる上級者とされている人でも電子ピアノで練習している人の割合は多い印象です。練習している楽器による演奏の質というものは関係ないと感じることが多い。

自分なりの特種事情というものがあるとすれば、子どもの頃ピアノを習っていたとはいえ、現在の僕の演奏を支えている部分は独学によるものということ。レッスンで音の出し方なんて言われたことはありませんでしたし。

弾いていなかった30年あまり、鑑賞者、音楽愛好家として生活していました。数えたことはありませんが、一部屋CDで埋まっているという具合です。ピアノを現在弾く時には、幼い頃からキチンと習っていた人とは異なる曲の仕上げ方をします。最初に音イメージが先にある。最初にあるものを再現するために練習する。近づけていくという感じでしょうか?多くの人は白紙の状態から「まず弾けるようにしてから、いろいろと考える」みたいな練習をするみたいです。アプローチとして正反対なわけです。

もう一つの特殊事情としては、僕が難聴だということ。おそらくピアノの音
は人の40パーセントほどしか聴こえていません。また、緊張すると本番などでは、全く自分の音が聴こえなくなることも最近は多いです。なので想像力と、その場での対応力が必要なわけで、そこは自然と鍛えられたのではないでしょうか?

難聴であることは、あまり人には言いませんが、電子ピアノで練習していることは質問されれば答えます。グランドピアノで練習しているのですかとよく訊かれるので。まずは電子ピアノで練習しているということを伝えると、「えっ???」と驚かれます。

また本番で音が聴こえなくなっても、まずは聴いている人は気づいていないです。これも「えっ???」と驚かれますから。

楽器は個体差というものはメーカーの差によるものよりも大きいと感じます。放置されているスタインウェイは調整ということもあるのでしょうが、非常にタッチが重いというか、鈍重な感じがすることもありますので。でも個人的な印象では、スタインウェイはタッチポイントが浅いところに設定してあるという印象です。印象というか、これは僕の想像かもしれませんが。

電子オルガンに似たタッチ感の電子ピアノだと、やはりいくら想像しても難しいとことはあると思います。全く抵抗がないというか、タッチポイントの瞬間を感じることができないので。でも高級器種なら可能かと・・・

kaz #- | URL | 2016/04/17 06:55 | edit

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