ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

教材研究と診断、処方 

 

愛読しているピアノブログを読んで感じた。その方は日本人だけれど、イギリスで教育を受けロンドン在住。ピアノ教師をしながら地道に演奏活動もしている。なぜ愛読しているかというと、視点がイギリス基準で外から日本を見つめているから。また、その方は自宅の楽器は電子ピアノ。なのにイギリスで演奏活動をしている。教えるのは出張レッスンということになる。

その方の日本のピアノ教師ブログなどを読んでの感想。たとえば、大人の生徒を単発的に教える場合、公開レッスンなどもこの場合含まれると思うが、日本の教師は、生徒の実際の演奏を聴く前に楽譜に書き込みがある。曲について調べ、教えるべきことを箇条書きにしてある。

「なんでそんなことができるんだろう?」

教材研究・・・ということになるのだろう。でもその方は生徒の演奏を聴いて、問題点を解決するのがレッスンだと思っている。なので、前もって指導内容を決めておくというところに違和感を持つ。実際に日本の音大出身の方のレッスンをした経験を書いている。その生徒は日本の教授からは「あなたは下手だからその部分は弾けないわ」と言われている。でも、その方はなぜ弾けないのかを分析し、レッスン時間内に解決方法を伝え、弾けるようにしてしまう。それがレッスンであると。自分はイギリスでそのようなレッスンを受けてきたから・・・

日本では教材研究が盛んだ。むろん、曲を知ることは大切だと思うが、決められたことを教えるのがレッスンなのだろうか?ある程度進んだ生徒、あるいは大人の生徒の場合、レッスンに期待するものは、「こう弾きなさい」とか「そこが弾けてない」とか、あるいは「この曲はこのような曲なんです」というものではなく「こうすれば楽に弾けるようになるわよ」という具体的情報ではないだろうか?違うかな?

「そこが弾けていない」とか、その人の演奏の何かしらの問題点を指摘するだけだったら、僕だってできる。「なんだか音がガシャガシャしているな」と感じることはできる。それは僕だけではなく、ピアノに触れたことない人だってできるだろうと思う。

解決方法・・・なのだ。そこがこうなっているから、こうなってしまい、ここをそのようにすれば、そこは解決できる・・・みたいな?

薬を処方しない医師みたい。「熱があるんです。39度越えで辛いんです」「そうですか。ああ、インフルエンザですね。インフルエンザとはこのような病気でですね・・・」と説明はあるが、それだけで「ではお大事に」とそこで帰されてしまう。「あれ、タミフルは?」と思うが、「まあ、一聴懸命寝ていて下さい」みたいな?

具体的な情報をレッスン内で伝えられるかどうか、できないか、そこがいい教師かどうかということなのでは・・・と思う。そのような意味で、生徒の演奏を聴く前から、いろいろと指導すべきことが満載というのは、どこか違和感を感じる。

決められた、世間で正しいとされているべきことを「教える」・・・間違っているとは思わないし、それも必要だろうが、そればかりだと、決められたことを実行できる生徒がいい生徒、あるいはいいピアニスト、音大生とされてしまうような危険性がないだろうか?ある基準点があって、才能ある人はそこを超えることができる。超えられた人がピアニストさんであり、越えられない人が弾けないアマチュア・・・みたいな感覚。「全然弾けないの!」「ミスが多くて!」・・・世間の基準のようなものを自分の基準にしてない?「弾けないの」という場合、もしかしたら弾けるはずなのに、方法を教えてもらっていないだけかもしれない。なのに「自分には才能なんかないから」「弾ける人とは違うから・・・」

なんだか幸せではない構図だなぁ・・・

こうあるべき・・・ということを「教えられた」優秀なピアニストの演奏をばかりを聴いていると、たまにこのような奇想天外な演奏を聴きたくなる。

kaz




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コメント

 

これは、私ですよね?
kazさんのように感じて下さる方が一人でもいて、救われる思いがあります。
日本はこれから子供たちのコンクールシーズンですし、いわゆる、全国津々浦々回っていらっしゃるような先生方が、予め注意点を書き込む予習をなさっているのです。
私が導入から指導して頂いているロシア人教師は、その場で直す方ですが、院の時に師事したイギリス人教師は、私からしたら定型的な直し方でした。 それでも、日本から来た学生たちは、できないところができるようになる、とよく言っていたので、余計に気になるところです。

私の限りある日本語から、言いたかったようなことを解読して頂いて、より私もわかりました。
1人でも、定型的なもの以外のことを望んでくださる方がいる限り、この指導を続けたいと思いました!

Miyuki #- | URL | 2016/04/06 22:00 | edit

Miyukiさま

はい、そうです。Miyukiさまのブログを読み、書いてしまった感じです。本来ならば、許可を頂くべきだったと反省しております。

僕の周囲でも「なんでただ弾いているだけになってしまうのかしら?」と悩んでいる人が大勢いるのを感じます。僕のような拙い演奏に対してさえ「なんでそんな風に弾けるの?」と驚かれたりもします。逆に僕が驚きますが。ブランクあり、専門教育には無縁、電子ピアノ愛用者(?)ということを伝えても、まずは信じてくれません。このことも逆に僕が驚きます。

「ただ弾いているだけになってしまうんです。抑揚に欠けるというか・・・」その生徒の訴えに対して、教師が「そうなのよねぇ・・・何でかしらねぇ・・・」

日本では結構具体的解決方法を伝えられない教師もいるのではないかと僕は疑っています。そのような教育を教師自身が受けてきていないからなのでしょうか?分かりませんが・・・

ピアノ教師ならば「何でかしらねぇ・・・」という部分を伝えるのが仕事だと思うのですが・・・伝えるべきものがないので、生徒のフレーズをいじってしまうのかも?なので○○先生の生徒の弾き方・・・みたいなものが存在してしまうのかも・・・

kaz #- | URL | 2016/04/06 22:21 | edit

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