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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

声楽はピアノよりも簡単なのか? 

 

「う~ん、やはりピアノ科で受験は難しいかもしれないわね。音大のランクを落とす?それはイヤなの?そう・・・じゃあ、声楽で受験すれば?先生を紹介するわ。今までのピアノだって無駄じゃないと思うの。声楽専攻でも副科ピアノは必修だしね」

この生徒が高校生だと仮定して、逆のパターンはないだろうと思う。声楽科での受験は難しいので、じゃあピアノ科で・・・というパターン。あまり聞かない。声楽の方がピアノよりも簡単なのか?ピアノの場合、高校生で初級、ブルグミュラーなどを弾いているとしたら、音大受験は難しいだろうと思う。でも声楽だったら、高校生の多くは初歩なのでは?発声、コンコーネ、イタリア古典歌曲をイタリア語はまだ流暢に発音できなかったりするので、カタカナをふったり・・・これって初歩なのでは?

簡単・・・と言うよりは、声が出来上がる時期というものがあるのだろうと思う。身体が楽器であるわけだし、ピアノのように「押せば鳴る」というものでもないので、高校生の頃の声なんて、まだまだ未成熟、発展途上なのかもしれない。ピアノ科の場合、もしかしたら音大卒業時が演奏技量のピークで、あとは落ちていくだけ・・・なんてこともあるかもしれないが、声楽で22歳前後なんて、まだまだこれからという世界なのだ。

ピアニストの場合、物心つくよりも前に訓練を受けている人が圧倒的に多い。高校生ぐらいになり、ピアノを聴いて感動したので自分もピアニストになろうと思っても、それは難しいかもしれない。音大受験なんてことを考えなくても。でも歌手の場合は、このケースもあるような気がする。世界的歌手でも、一度社会で出て働き、それから歌手を目指したなんていう人は沢山いるし。

このジャコモ・ロンディネッラという人もそのパターンであるように思う。聴いてみた感想は、「カンツォーネ系」「ナポレターナ系」というよりはポップス寄りの「サンレモ(音楽祭)系」の人のように感じたが、声が素晴らしい。この人の父親は、やはりナポレターナ歌手で母親は女優だったそうだ。「なるほど、家系ね」と思ってしまう。事実、ロンディネッラ家は何代も続く歌手家系なのだそうだ。

「ねえ、ジャコモは甘い声をしているみたいだし、ハンサムだわ。将来女性を泣かせる不誠実な男になってしまうのではないかしら?チャラチャラした男に。この子には実直で安定した人生を歩んでもらいたいわ・・・」

そのような両親のやり取りがあったのかは不明だが、ジャコモは船乗りになる。海運学校(?)に進学し念願叶って船長さんになる。イタリア海軍でも活躍したらしい。船乗りが歌手よりも実直なのかは疑問ではあるが、芸能っぽくない安定さはあっただろうと思う。その後、ジャコモは何故かボクサーになる。これまた実直な職業なのかは置いておいて、そこまでのジャコモの人生において歌というものは存在しなかった。

ボクサーとしては、いい成績は残せなかったらしい。「殴られてばっかりだ。賞金のこと、いや、生活のことも考えなくてはな。歌・・・はどうだろう?歌は好きだ。父さんも歌手だった。歌・・・やってみるか?」

そして歌手、ジャコモ・ロンディネッラが誕生した。

聴いてみると、正直「歌手になるために生まれてきたのでは?」と感じる声だ。歌手そのものでしょ?この声は・・・

歌の場合、幼い頃に進路が決まってしまうという理不尽さはない。内なる欲求と進路を自分の意思で融合させることができる。ここのあたりはピアノよりもいいかも?でも楽器が自分の身体なので、ある人はある、ない人はどんなに頑張ってもない・・・みたいな理不尽さはピアノよりもあるような気がする。ピアノにおける手の大きさみたいなことよりも、声楽家における「身体」「声帯」のようなものの個人差は残酷なものであるのかもしれない。

それにしても、この人、生まれながらの歌手でしょ?

kaz




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