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ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

ベニスの愛 

 

アール・ワイルドが編曲し演奏していた曲の原曲はマルチェロのオーボエ協奏曲。この曲は、日本では「ベニスの愛」という副題が定着している。おそらく、1970年頃に公開されたイタリア映画「ベニスの愛」で、マルチェロのオーボエ協奏曲が効果的に使用されていたので、この副題が定着したものと思われる。この頃は映画音楽も美メロディー満載の頃だった。「ひまわり」も同じ時代だよな・・・

美しいベニスというやがては水の底に沈んでしまう街での男女の一日を描いた作品だ。主人公には名前がない。男、女だけ・・・。男は女をベニスに呼び寄せる。かつて男と女は愛し合い結婚していた。オーボエ奏者、そして指揮者を目指す男にとって、結婚生活は重荷になっていった。罵倒し合う日々・・・傷つけ合い、そして男と女は別れた。

「何故今さら私を呼んだの?」女は不思議に思う。でも幸せだった青春時代、愛し合った日々をも思い出す。「楽しい時もあったわね。でもお互い若かった・・・」

二人の感情の縺れは、そう単純なものではなかった。過去を懐かしむと同時に、感情の行き違いのあった、「かつて」をも思い出す。再会した二人は、再び心の内をさらけ出す。怒鳴りあう・・・

「あなたなんか死ねばいいのよ・・・」

「そう・・・僕はもうすぐ死ぬんだ。君と再び一日を過ごしたことで、死というものに向きあえると思う。最後の録音をしようと決心できた。また君に恋することができたからだ・・・ありがとう・・・」

女は男を愛していた、そして今でも愛していることを知る。男は自分の最後を生きるために去っていった。女は再び闇のベニスに一人取り残される・・・

男女の恋愛物なのだろうが、男本位のストーリーなのではないいかとも感じる。「あなたは人生の意味を発見して幸せでしょうが、私はどうなるの?私の気持ちはどうなるの?」みたいな女の感情がやるせない。

マルチェロの曲とは別に、この「ベニスの愛」という映画の愛のテーマも美しいメロディーだ。ステルヴィオ・チプリアーニという人が作曲した。映画も音楽もヒットしたけれど、この曲はある曲と非常に似ていると、当時はかなり話題になった。同じ頃に公開された「ある愛の詩」と似ているのではないか・・・と。

映画の公開も、愛のテーマの作曲も「ベニスの愛」のほうが半年ほど早かった。一時は裁判沙汰か・・・という騒ぎにもなったが、「ある愛の詩」の作曲者、フランシス・レイが、あっさりと盗作したことを認めた。フランス人ではあるが、フランシス・レイの両親はイタリア人。イタリア人であるチプリアーニとは争いたくはなかったからと言われている。

個人的には、「似ていると言われれば似ているかなぁ?」という感じだが、両方とも美しいメロディーではある。

「イタリアの著作権法では4小節までは盗作ではないんだぜ」  ステルヴィオ・チプリアーニ

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