ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

ピアノよりも敏捷な楽器 

 

ピアノという楽器は「楽器の王者」などと言われるが、現代のような楽器として完成されたのは、割と最近のことではないか?ピアノ文化の最も華やかなで盛大な花火は、ヨーロッパというよりは、むしろアメリカで花開き、打ちあがったのではないか?その代表的なピアノ曲がラフマニノフの3番のコンチェルトだったのではないか?この曲はピアニストのヨゼフ・ホフマンに献呈されている。当時のアメリカ資本の富、亡命音楽家(ピアニスト)、楽器製造会社(スタインウェイ社ですね)というものとの幸福な密着がピアノ文化の花火を打ち上げたと想像すると、とても楽しい。

最も古くから完成されていた楽器って何だろう?ヴァイオリンなども相当昔から楽器として完成されているように思うが、やはり声楽なのではないだろうか?人間の身体や喉なんて、100年単位でそう変わるものでもあるまい。

弦楽器にしても、人間の声にしろ、最も華やかな花火が打ちあがったのは、イタリアではなかったか?イタリアバロックオペラなどを聴くと、その完成された技巧美に圧倒されてしまう。ピアノなんてまだ楽器として存在していなかったのでは?

声楽、歌と言うと、朗々とロマンティックに歌い込む、みたいなイメージを持つ。人間の声による発声は、ピアノのなどの鍵盤楽器と比較すると闊達さ、敏捷さに欠けるような?ドレミファソラシド・・・と音階、ドミソドソミドとアルペジオを奏する時、ピアノの方が声楽よりも奏しやすいかのようなイメージ。たしかに歌よりはピアノの方が簡単だろうなと想像する。

ピアノ曲の花火がラフマニノフの3番だとすると、声楽曲の花火は何だろう?個人的にはロッシーニの「セミラーミデ」ではないだろうかと思う。ロッシーニのオペラでは「アジリテ」という技術が駆使されている。英語のアジリティのことだと思う。つまり敏捷さ、闊達さのことだ。当時の歌手は、コロコロと闊達に音階やアルペジオを歌いこなしていたのだ。

そこにはカストラートたちの存在が大きかったのだろうと思う。去勢してしまうわけだから、声そのものは少年のような、女性のような声を維持する。でも声量や筋力は男性・・・という・・・・

このカストラートたちが声楽花火を打ち上げていたのではないだろうか?バロックオペラにしても、ロッシーニ作品にしても。

カストラートの再現という意味において、僕は叙情的なカウンターテナーよりも、むしろ、あるメゾソプラノ歌手に想いを馳せてしまう。マリリン・ホーン・・・

最も驚異的なロッシーニ歌いとして君臨したのが、ジョーン・サザーランド(オーストラリア)とアメリカのマリリン・ホーンだとすれば、本場とは何か・・・ということにも想いを馳せてしまうところだ。サザーランドもそうだが、マリリン・ホーンの場合、太い声のまま、低音から高音まで自在に歌いこなすことができる。しかも驚異的なアジリテの技術と共に・・・

「セミラーミデ」が初演された時、当時の作曲家、鍵盤楽器奏者は憧れたのではないだろうか?

ロッシーニのような敏捷さをピアノでも・・・と。

「セミラーミデ」初演は1823年。ショパンもリストも生まれていた。

kaz




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