ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

目から?耳から? 

 

「来週はきちんと練習してきてねっ!!!」先生のこの言葉の意味が分からなかった。つまり、「練習って何をすればいいんですかぁ?」状態だったのだ。レッスン時間に「今、練習してるじゃん?それでいいじゃん?」みたいな?当然ピアノのレッスンは停滞した。読譜力がなかった。つまり楽譜が読めなかったのだ。

後年、某楽器製造会社の音楽教室に関わることになった。むろん、講師としてではないが、その時にこの某音楽教室の問題点というか、実態を知ることになった。楽譜の読めない、または読譜を面倒がる生徒が実に多かったのだ。基本的には、幼児科からグループレッスンを中心に教育されるシステムで、ピアノという楽器に拘らず、合奏なども取り込んで、いわゆる「音のシャワー体験」のようなレッスンがされていたように記憶している。「いいこと」なのだろう。感受性の多感な時に、サウンドの楽しさを味わわせてしまう。でも、ピアノの個人レッスンに移行した時に、グループレッスン出身の生徒は、どこか落ちこぼれてしまうケースも多かった。なまじサウンドを体験しているだけに、自分で読譜をしてピアノで音を再現した場合、なんとも物足りないらしいのだ。体験してきたようなサウンドを楽譜から拾って音にする能力に欠けている。「ピアノ・・・楽しくない」みたいな?読譜力に欠けていたのだろう。生徒としても、いきなり「読め!」と言われても・・・という感じだろう。

そう、読譜力というものは大切なものなのだ。これこそ基本というか。ここで問題がある場合は、基本的に家庭での練習という部分に支障が出てくる。毎日の練習という部分に支障があると、ピアノの上達、いや、継続すら危うくなっていくだろう。

なので、読譜・・・

多くのピアノ教師ブログなどを読んでも、この部分の強化、工夫というものは感じられる。

でも、「ピアノを弾きたい」という人間的欲求という根本のところを考えた時に、読譜だけの強化でいいものかどうか、多少の疑問は残る。「ああ・・・弾きたい」「ああ・・・上手になりたい」などと人間が感じる根本要素、根本の動機としては、鑑賞者としての音楽的体験、音楽的感動というものがあるはずだ。この部分がなければ、そもそも弾きたいという動機にすら結びつかないのではないか?

多くの大人のピアノ、仕事をこなしながらの大人のピアノの場合、ここのところの根本的な動機と音楽的感動というものが結びついていることが多い。「今の状況でピアノなんて厳しいけれど、それでもピアノを弾きたいの!」こう思わせるだけの、何らかの音楽的感動があったからこそ、忙しい中ピアノを弾いている。

お稽古事として幼い頃からピアノを習っている子どもの場合はどうなのだろう?一般的な子どもの生徒の場合、教本に載っている次の曲とか、教師が渡す曲のように、弾いている曲というものは、他者から渡された曲というケースが多いだろう。音楽的感動によって「次はこの曲を弾いてみたいんです」のように、生徒側から次々と欲求があるというケースはあまりないのではないか?生徒はクラシックの曲をあまり知らないだろうし、教材の知識というか、どのような曲が世の中に存在しているかなどの知識もあまりないのではないかと思われる。むろん例外もあろうが・・・

読譜力に欠けていると、そりゃあレッスン継続すら危うくなるだろうから、その部分は必要としても、それだけでいいものかどうか?

このような構図がピアノレッスンによって定着していってしまう危険性はないだろうか?

曲を渡される→真っ白な状態で読譜をする→一応両手で止まったり、つっかえたりしないように弾けるように練習する→一応弾けた→曲想をつけて表現する→暗譜をする→先生に○をもらう

大人のアマチュアの人でも、この順序で曲を仕上げていく人は多いように感じる。でもこの構図だと、「曲想をつけて表現する」という部分が遅すぎないだろうか?この部分は、「できてから・・・」「一応弾けてから・・・」という段階よりは、むしろその曲を弾くという意味においての動機の部分に直結していなければならない部分ではなかろうか?「このように弾いてみたい」という欲求、それは遠い憧れのようなものだとしても、この欲求がピアノを弾かせるというか・・・

一応、弾けるようにした→レッスンで先生のダメ出し→忠実に守って弾けるようにする→何度も何度も練習する→本番

これだと「動機」がないのだ。この曲のここを届けたいというパフォーマンスとしての根本に欠けてしまうというか・・・

初歩、導入指導において、読譜能力の育成というものと、音楽的欲求からくる動機のようなものとの融合というものは、どの段階で、どのような具体的指導というものがなされているのだろう?

kaz


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