ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

逃避の音楽 

 

オペレッタ銀の時代、その時代に活躍したのがレハール、そしてカールマン。時代はオペレッタ全盛の時代であったのと同時に、紛争、戦争という不穏な時代への幕開けでもあった。オペレッタの聖地、ウィーンの人々も不穏な空気を感じとっていた。「ヨーロッパが戦場になるのでは?」「暗黒の時代が始まるのでは?」と。

だからこそ、ウィーンの人々はオペレッタに夢中になった。そこは夢の世界。現実ではない。だからこそ夢中になった。そこには愛を囁く人たちがいた。恋を高らかに賛美する世界があった。現実が厳しいからこそ、人々は夢の世界に没頭した。そこには殺人も飢えも、憎しみもない。そこは幻想の愛の世界だったから・・・

ハンガリーからウィーンにやってきたエメリッヒ・カールマンのオペレッタに人々は夢中になった。レハールのそれよりも、ハンガリー色を感じさせるオペレッタだった。どんなにウィーンで人気を博し、名声を博しても、カールマンはユダヤ人だった。

彼は第二の故郷、ウィーンを離れなければならなかった。当時の芸術家の多くがそうしたように、彼もまたアメリカ合衆国に渡った。カールマン・オペレッタは新天地アメリカに影響を与えた。その影響はミュージカルという新しい芸術となって華開いていった。

カールマンはヨーロッパ人だった。アメリカ人として帰化したが、晩年はパリで暮らした。そしてパリで亡くなった。何故第二の故郷ウィーンではなかったのか?彼はウィーンには戻らないと決めていたのだろうか?

戦争は多くのものを奪ってしまったが、カールマン・オペレッタは光り輝き、この世に残った。

現実を忘れ、空想の愛の世界への逃避、それがカールマンの音楽。すべての苦悩を、つかの間忘れさせてくれる。

現代でも愛を求めている人がいる。だからカールマンの音楽は忘れ去られることはない。これからも・・・

カールマンはウィーンの中央墓地で眠っているのだそうだ。

kaz




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