ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

「舞踏への勧誘」の謎 

 

ウェーバーのピアノ曲って、あまり演奏されないような気がする。サークルの練習会で演奏した人はいたかな・・・と思いかえしてみても、やはりいないような気がする。ショパンの曲が登場しない練習会はないのに・・・

ウェーバーに「舞踏への勧誘」というピアノ曲がある。この曲はベルリオーズが編曲した管弦楽バージョンの方が有名なのかもしれないが、オリジナルはピアノ曲。ピアノ曲としても有名な曲なのではないかと思う。

曲としては、とても有名なのに、何故かあまり演奏されないという珍しい曲なのではないだろうか?珍曲ではないと思うんだけど・・・

プロのピアニストがリサイタルで「舞踏への勧誘」を演奏することも少ないのではないかと思う。何かしらの理由があるのだろう。即物的魅力に溢れた(?)現代のピアニストには、あまり魅力を感じない曲なのかもしれない。たしかにポリーニやツィメルマンがリサイタルでこの曲を取り上げるということは考えにくい。実際には弾いているのかもしれないが・・・

現代のピアノリサイタルの傾向としては、小曲を盛りだくさんに・・・というよりも、どちらかと言えば「大曲主義」のような気がするので、「舞踏への勧誘」はプログラムに入れにくいのだとも想像する。この曲は古典派のような趣もあるし、華やかなロマン的な技巧をも感じさせるところが組み合わせに苦慮するところなのだろう。ベートーヴェンとも合わせにくいし、ショパンとも合わせにくいというか。

どちらかと言えば、プロのピアニストが恍惚の表情を浮かべ熱演する曲というよりは、ピアノの発表会向きの曲なのかもしれない。事実、発表会向けCDには、「舞踏への勧誘」はよく収録されている。でも、この曲は難しいのだ。結構、技巧的な難渋さがある。しかもその難渋さを表には出せない難しさもあるので、子ども向け・・・という曲ではない気もする。「舞踏への勧誘」を弾きこなす達者な子どもは多いだろうが、そのような子どもはショパンやリストを弾くのではないだろうかとも思う。

なので滅多に演奏されない曲となってしまった・・・

以外なことに、往年の巨匠たちは「舞踏への勧誘」を録音している人が多い。それも「いかにも余興・・・」という感じではなく、真剣に(?)大真面目に(?)、一つのレパートリーとして演奏しているのだ。昔はこの曲もピアニストたちの大事なレパートリーだったのだろうか?おそらくそうなのであろう。

僕が聴いた中で「舞踏への勧誘・コンクール」的に記してみると・・・

5位 デ・ラローチャ
4位 コルトー
3位 ブライロフスキー
2位 シュナーベル

・・・となる。デ・ラローチャは亡くなっているとはいえ、現代のピアニストにカテゴライズするべきであろうが、真摯な演奏が素晴らしい。コルトーの演奏は、ラローチャの演奏に夢が加味されているような?意外にもブライロフスキーの演奏が素敵だった。この人のショパンのワルツのレコードで僕は音楽開眼をしたのだった。なんだか懐かしい感じだ。シュナーベルの演奏、後期のベートーヴェンの演奏がやたら有名だけれど、彼の本領は本来このような種類の曲なのかもしれないなどと思ったりする。

即物的な方向、ザハリヒな方向、現在はもうある意味行き着いてしまった感もある。人々は再び「夢」「ロマン」を求めているのではないかとも思う。「舞踏への勧誘」のような曲がピアニストの重要なレパートリーとなる時代はもしかしたら遠くはないのかもしれない。

kaz




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