ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

軽音楽・重音楽 

 

ピアチェーレの演奏会で最初に演奏する曲がオペレッタのピアノ編曲。編曲は僕の大好きなピアニスト、スティーヴン・ハフ。原曲も素敵だが、何と言ってもハフの編曲が素晴らしいのだ。オペレッタ好きならエメリッヒ・カールマンの作品はお馴染みなのかもしれないが、そうでない場合、もしかしたら声楽専攻の音大生でも知らなかったりするのではないかと思ったりもしている。

エメリッヒ・カールマンはハンガリー出身なので、正式にはカールマーン・イムレなどと呼ぶべきかもしれない。ユダヤ人だったので、迫害を受け、アメリカに渡っている。そこでも多くのオペレッタを残した。カールマン作品の特色は、レハールやシュトラウス作品とは比較にならないほど「ハンガリー色」が強いということ。もう一つはオペレッタとミュージカルの橋渡しのような役割を果たしたこと。

ハフが編曲した、つまり僕が演奏する曲は、(日本では)知名度が高いとは決して言えないカールマン作品の中でも、地味な「モンマルトルのすみれ」というオペレッタからのナンバー。ハフがこの曲を知っていたということに、まず驚く。このオペレッタは日本でも上演されている。どうも、アマチュアたちによって上演されたみたいだ。アマチュアの熱意を感じたりもする。二期会などもカールマン作品の代表作「チャールダーシュの女王」などは日本語役で上演しているが、さすがに「モンマルトルのすみれ」では採算が取れないと思ったのか・・・などと勘繰ってしまう。ヨーロッパなどでは上演されているみたいだ。ユーチューブに動画もアップされている。でも頻繁に上演されるような有名作品ではないような気はする。

ハフは大変に博学な人なので、「モンマルトルのすみれ」というオペレッタの全曲盤を聴いたりしていた可能性は高い。この人はコンチェルトの客演などでも、自分の出番後もオケの演奏を客席で聴いたりする人なのだ。普通は自分が演奏してしまえば帰ってしまうのではないだろうか?

完全に僕の想像だが、ハフはルドルフ・ショックの歌唱を聴いていたのではないかと思う。ハフは編曲に際して、細かな記号というか、言葉での指示をかなり頻繁に楽譜に書き込んでいるが、その指示が、どうもルドルフ・ショックの歌唱と重なるところが多いような気がするのだ。ハフだったらルドルフ・ショックの魅惑的な歌唱は当然聴いたことがあるだろうと思う。僕だって知っていたくらいだもん・・・

たしか、ロベルト・シュトルツの指揮によるオペレッタのアリア集が昔あったと記憶している。片面(レコードなので)がシュトルツ指揮によるワルツ集、そして裏面がショックの歌唱によるオペレッタというレコードを小学生のときから愛聴していたのだ。でも「モンマルトルのすみれ」は収録されていなかったなぁ・・・

名前からも分かるようにルドルフ・ショックはドイツの歌手。多くの歌手と同様、この人も労働者階級の家庭で育った。でも音楽が好きだったのだろう、そして声も素晴らしかったのだろう、家計を助けるために歌ったりしていたみたいだ。クラシックではなく、酒場などで軽音楽などを歌っていた。オペラの舞台に立つようになると、すぐに戦争。そして徴兵・・・

戦争後は農業などをして、家計を支えていたらしい。オペラ界にカムバック後も母親の死によるショック、そして自身の心臓病などの悪化などもあり、随分苦労した人のようだ。

「ショックはくだらない軽音楽なんぞを歌いすぎる・・・」

当時の評論家からそのように言われることも多かったらしい。ショックはそのような意見に反発している。「親しみやすい音楽のどこがいけないの?くだらなくなんかないと思うよ?」と。

これがハフも聴いたと僕が想像しているルドルフ・ショックの「モンマルトルのすみれ」からのナンバー・・・「初めての口づけも知らずに」という曲。甘い極上のナンバーであり、歌唱だ。「君は恋をしたことがないんだね?口づけさえしたことがないんだろう?恋するということは素晴らしいことなんだ・・・」みたいな感じかな?

それにしても「軽音楽」とは珍妙な言葉だ。普通のクラシックの曲は「重音楽」なのか???

kaz



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