ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

「トゥクマンの月」 

 

今はイタリアにいる。南米での日々は緊張感があったのだろうか?そのような自覚はなかったが・・・

相当疲れているみたいで友人も心配する。「何があったんだ?」

何もなかった。危ないこともなかったし。ブラジルではパウロも一緒だったし。でも緊張していたんだねぇ・・・

昔から訪れてみたい街があった。アルゼンチンのトゥクマンという街だ。ブエノスアイレスのような大都会ならまだしも、トゥクマンは地方都市だ。観光で訪れる日本人など少ないだろう。

トゥクマンは、何の変哲もない、普通の街だった。観光するような名所、旧跡などもないしね。ただただ街を歩きたかった。砂糖キビ栽培で有名なところらしい。砂糖でも買うか???

飛行機のチケットやら何やらはブエノスアイレスの旅行会社で調達した。

「日本人?トゥクマン?Why???」などと旅行会社の人は驚く。

トゥクマンに到着した時には、「世界の果てまで来てしまったな・・・」と思った。普通の街・・・平凡な街・・・でも僕にとっては心の憧れの街だった。もし訪れなかったとしたら、死ぬ時に後悔するだろうな・・・とも思った。「トゥクマンの月・・・見たかったな」と。

「母を訪ねて三千里」という童話(?)があった。主人公マルコ少年が母親と再会する街、それがトゥクマンなのだ。またフォロクローレ歌手、メルセデス・ソーサが生まれた街でもある。

「トゥクマンの月」・・・アタウアルパ・ユパンキの代表曲だ。ユパンキはトゥクマンの生まれではないが、幼い時から成人までトゥクマンで育った。ユパンキはファン・ペロンの独裁政権を嫌った。彼の歌は反体制的と判断されたようだ。ユパンキは亡命のような形でアルゼンチンを去ることになる。

ユパンキの歌、弾き語りのギター・・・なんとも素朴な感じだ。でもそれは表だけだ。内面が見えてしまうと辛くなるような歌でもある。人間ならば誰でも抱えているような辛さを代弁してくれている。

ホテルの部屋から月が見えた。トゥクマンの月だね。自分は本当に来たんだね。トゥクマンに・・・

ずっと月を見ていた。途中から雲に隠れて見えなくなった。朝まで空を見ていた・・・



「トゥクマンの月」   アタウアルパ・ユパンキ

僕が月に歌うのは月が美しく輝いているからじゃない
月は僕の人生を共に歩いてくれた友達だから歌うのさ
お前は雲に隠れて僕を迷わせるときもある
だけど雲から顔を出してくれたときは歌おう
愛するトゥクマンの月に
孤独の月よ・・・

お前と僕は似た身の上じゃないか・・・




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