ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

「サウダージの国へようこそ!」 

 

「本当に来たんだねぇ・・・サウダージの国へようこそ」

そうパウロ(仮名)は言った。パウロとは長年の友達というわけではない。以前イタリアのシエナに旅行した時に知り合ったブラジル人だ。同じホテルに滞在していて、僅か数室のホテルだったから、顔を合わせる機会も多く、お互いに気も合い、シエナでの行動を共にしたりした。

「ブラジル・・・世界一美しい国だよ。いつか訪れてきなよ。案内するから・・・」

空港でパウロの姿を見たときには、心底ホッとした。「本当に来てくれたんだ」と。まぁ、彼も同じ思いだったのかもしれない。

アルゼンチンでは単独行動だった。言葉が通じなかったが、それも旅の楽しみの一つだ。ブラジルはスペイン語ではなく、ポルトガル語になる。僕にとっては、どちらも理解不能な言語だから、「だから何?」という感じだが、やはりポルトガル語堪能な人と行動を共にできるのは、行動範囲も広がり、とても嬉しい。

ブラジルは治安が良くないらしい。普通に観光している分には心配ないらしいのだが、殺人は日本の34倍、強盗は日本の315倍・・・などというデータに少し固まったりもする。

「喜び、快楽と死や絶望と隣り合わせの国なんだ。だから美しい・・・」などと意味不明なことをパウロは言う。さらに固まる。

サウダージ・・・外国語に訳すのが難しい言葉、概念らしい。哀しみ、望郷、失った愛を想う気持ち、僅かな希望・・・どれも当てはまるが、ズバリと言い当てる言葉も外国語にはないというか・・・

「そうだなぁ・・・後悔というか、懺悔というか、光と闇を浮遊するというか、なんとも説明しにくいな・・・言葉では説明しにくいものなんだ、音楽みたいにね・・・」とパウロは言う。

彼は、ある曲を口ずさむ。ヴィラ=ロボスの「メロディア・センチメンタル」・・・

「ブラジル人だったら誰でも知っている曲だ。この曲はサウダージそのものだね。ブラジルの魂そのものだね。この曲も言葉で説明できない感じだろう?だからサウダージなんだ」

「本当によく来てくれた。サウダージの国へようこそ・・・」

kaz



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