ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

脱「チェルニーショパン」 

 

音楽愛好家、または鑑賞者として演奏に接してきた経験が、実際に自分がピアノを弾く時にも役立つような時もある。閃くというのだろうか?鍵盤に触れてから、準備をしてから打鍵ということもそうだと思う。実際のノウハウはレッスンで・・・ということになろうが、鑑賞者の立場でも、というより、鑑賞者の立場だから気がつくということもあるのだと僕は思う。

要は、コントロールされた、厳選された音か、そうではないかというところは、演奏の分かれ目ともなるような気がする。

卓越した、本当のプロの演奏から聴き取れるもの、共通したもの、これらのことを鑑賞者として感じていくことは、ひたすら反復練習をガシガシと行うことよりも有益だったりすることだってあろう。

たとえば、右手が切々とメロディーを紡いでいき、左手が伴奏をするというタイプの曲、このタイプの曲は、「旋律、旋律・・・」と思うよりも、「和音」とか「和声」と意識すると、曲としてまとまっていくように思う。逆に、ロシアものの剛腕系というか、和音連続系のマッチョな曲は、「和音、和音・・・」というよりは、「和音=旋律」と意識すると上手くいくようにも思う。

ショパンを弾いているのに、チェルニーみたい・・・

この場合、右手の難渋パッセージに固執するあまり、左手の刻みに右手のパッセージを合わせて弾いていたりする。逆なのではないかと思う。右手に左手の刻みを合わせるのだ。そう意識することによって、脱チェルニーなショパンになる。

プレリュードの16番、かなりの人が右手のパッセージを左手の刻みに合わせて弾いているように思う。そうすると、いかにも頑張っている音大生風というか、チェルニー的な演奏になってしまうように思う。

演奏の比較って、つい「異なるところ」という観点になりがちだけれど、「共通しているもの」という観点でいろいろと演奏を聴いていくと、感じるところも多いのではないだろうか?聴き手のテンションを集めてしまうような演奏には、何かしらの共通した要素がある。そのような意味で、チェルニーのようなショパン演奏にも共通しているものがあるのだ。

クラウディオ・アラウというピアニスト、そのイメージは、老大家の円熟した演奏・・・みたいなものだろうか?いぶし銀のようなベートーヴェン?それもアラウだが、当たり前のことだが、アラウにも若かりし頃があったのだ。どうも日本に紹介されるアラウの演奏は、晩年のいぶし銀系ばかり・・・という気もする。

このアラウのショパン、初めて聴いた時は、本当に驚いてしまったものだ。なんの予備知識もなく、この演奏を聴いたら、アラウを連想する人は少ないのではないかと思う。「アルゲリッチ?キーシン?あるいは最近コンクールで優勝した人の新録音?」みたいな連想をするのでは?まずアラウ・・・とは思わないような気がする。

右手キラキラ難渋パッセージ、左手音型刻み・・・のパターンは、右左逆に感じてみるとチェルニーのようなショパンから脱することも可能なのではないだろうか?

アラウのプレリュード16番・・・たしかに、これはショパンであって、チェルニーではない。

さらに、このアラウの演奏は、最近の若手の方が技巧的には昔の人よりも達者・・・ということも誤りであることを教えてくれる。

kaz



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category: ピアノ雑感

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コメント

 

1つのアプローチ法として

左手と右手を入れ替えて弾いてみると、何か見えてくるんじゃないかなと思います。

私、実はノクターン2番でそれ、やってみたことがあるんです。
音域はかぶりまくるので、両手を合わせることは結構面倒だということが分かって、片手ずつにしたんですが、それでもすごく分かったことがあって。

陳腐だと思っていたあの、ノクターン2番のメロディっていいな、ショパンってやっぱ才能あるなって。
左手がどうしてこんなにゴツゴツなのか、それは聴いてるふりして聴いてなかったからなんじゃないかなって。

すっごい発見でした。
そして、そういう発見ができてよかったな、って思いました。

なかつかさきこ #QFk3YRjk | URL | 2015/07/30 09:12 | edit

なかつかさま

「なんとなく抑揚に欠け、ただ音を並べている?ただ弾いている?」のような演奏、多くの要因があると思いますが、最も簡単にというか、発想転換だけで変われる可能性のあるのが、メロディーに伴奏を合わせるという発想です。当たり前のことのようですが、無意識に伴奏の刻みに合わせてしまうことも多いのではないかと思います。古典派の曲など、アルベルティにメロディーを合わせていて、「歌えない・・・」と悩む。意識は右手にあっても、なぜか左手に合わせてしまう・・・

これとは別に、左手のパッセージを右手で弾いてみるという練習はよくします。むろん、右手で弾いたほうが鮮やかに弾けます。できるだけ左手でも同じように弾けるまで頑張るわけです。

kaz #- | URL | 2015/07/30 11:21 | edit

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