ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

ヨーロッパの奇跡 

 

先程友人からのメールで知ったのだが、アイルランドで同性婚が認められることになったのだそうだ。アイルランドという国について多くの知識はないけれど、敬虔なカトリックの国という印象があり、どことなくヨーロッパ諸国の中では、保守的な国だと思っていた。たしか、現在でもアイルランドでは中絶手術は禁止されているはずだ。むろん、母体の命に係わる場合は別だが・・・

そのような保守的イメージがあったので、今回のアイルランドの決定には本当に驚いた。調べてみると、1993年までアイルランドでは同性愛そのものが犯罪であったのだそうだ。1996年まで離婚も認められていなかったらしいし。

保守的だなぁ・・・

そのような国でも、人間の基本的人権に関しては人々の間で動いていたのだ。今回は、世界で初めて国民投票により、同性婚が認められたのだ。賛成票は60パーセントを超えたのだそうだ。アイルランドの閣僚には、ゲイであることを公にした大臣もいて、こちらも驚きだ。

ヨーロッパ、北米を中心に先進国では、同性婚が認められつつある。この動き、流れは誰にも止められないのではないだろうか?人種の垣根、男女の性別の垣根に続き、セクシュアリティの垣根が今取り払われようとしている。

アイルランドの同性婚にも驚いたけれど、ルクセンブルクの同性婚にも驚いた。ルクセンブルクでは少し前に同性婚が認められていたと思うけれど、ルクセンブルクの首相、グザビエ・ベッテル首相は、ゲイであることを公にし、実際に男性と結婚している。これもびっくりだ。首相だよ?

5年程前だが、アイスランドの首相、当時の首相だけれど、こちらは女性で、やはりゲイであることを公にし、女性と結婚している。首相だよ?

このようなニュースは喜ばしいことなのだが、このような動きを知らずに亡くなっていった人のことを考えると、なんともいえない気分になったりはする。今回のアイルランドの同性婚ニュースを知って、僕が思ったのは、ピアニストのユーリ・エゴロフのこと。彼は、1988年に33歳という若さで亡くなっている。当時としては、とても勇気の必要だったことだと思うが、彼もゲイであることを公にしていた。ソビエトから亡命し、自由の国、オランダに住んだ。セクシュアリティの偏見の最も少ない国としてエゴロフはオランダを選んだのではないだろうか?事実、世界で初めて同性婚を法律として認めたのはオランダなのだ。エゴロフにとっては自由で生きやすい国だったのかもしれないな。むろん、同性婚が認められたのは彼が亡くなった後だったけれど・・・

エゴロフはエイズの合併症で亡くなっている。多くの偏見の中で苦しみながら亡くなったのであろうか?それとも男性のパートナーの愛を感じつつ亡くなったのだろうか?

33歳という若さで、そして重篤な病にて命を落としたピアニストとして、もう一人リパッティがいる。リパッティの最期のリサイタルの演奏も凄いが、エゴロフの最期のリサイタルも、これまた凄いものがある。亡くなる数ヶ月前の演奏で、エゴロフが愛したオランダ、アムステルダムでのリサイタル。この時のシューベルトだが、聴き手の心の状態によって、なんとも幸福感のある演奏にも感じられるし、これ以上の哀しみはないほどの無常感のある演奏にも感じられてくる。ピュアな演奏であることは確かだ。

ユーリ・エゴロフにアイルランドのニュースを知らせてあげたい気分だ。

でも彼はすでに知っているんじゃないかな、そんな気もする。

kaz



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