ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

意志力 

 

Best of Thomas QuasthoffBest of Thomas Quasthoff
(2009/10/26)
Thomas Quasthoff

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トーマス・クヴァストホフという歌手の存在を知った。彼は残念なことに、健康上の理由から舞台から引退してしまったけれど、多くの録音を残してくれたし、現在は後進の指導をしているらしいので、彼の「意志力」というものは、若い世代の歌手にも伝えられていくのではないかと思う。

彼が歌う姿を見てみれば分かるのだが、彼は重い障害を持って生まれた。彼の母親が妊娠中に「サリドマイド」を内服していたため、彼はサリドマイド児として、この世に生まれたのだ。トーマス自身の「これまでの苦難」も想像できないが、家族の苦難も、また想像できない。

トーマスは、素晴らしい声を持っていたらしい。また、歌も好きだったのだろう。父親は彼に声楽のレッスンを受けさせる。むろん、トーマスは上達し、音大を目指すことになった。彼にとっては歌というものは、単なる「好きな事」以上のものだったと僕は想像する。歌を歌うことで、自分を飛翔させることができたのではないかと・・・

しかしながら、トーマスは音大に進学できなかった。理由は「ピアノを演奏できなかったから」・・・

彼は、ここで大きな挫折感を味わったのではないかな・・・

トーマスは音大を諦め、法学部に進む。そして銀行で6年間働く。この期間、彼にとって「歌う」ということは、どのような意味を持っていたのだろう・・・などと思いを馳せたりする。やはり、歌は諦めてはいなかったのか、それとも、歌うということを意識的に自分の中から排除していたのか・・・

彼の歌は、「表現しつくしたい」という彼自身の強い意志力を感じさせるものだ。また、彼が歌う時の目の表情がそれを物語っているようでもある。

最近は特に思う。「体力がなくなったな」と。ピアノをやめようとは思わないけれど、人前で大きな曲を頑張って弾いたりとか、演奏会で弾いたりとか・・・このようなことは、もういいかな・・・などと思うことは多くなった。ピアノは好きなんだと思うけれど、弾くということが、こんなに身体的、精神的に辛いのなら、アマチュアである僕などがピアノを弾く意味なんてあるのだろうかと・・・

正直、今の僕はトーマス・クヴァストホフの歌を聴くのが辛い・・・

kaz



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category: The Singers

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