ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

79歳のベルカント 

 

ピアノという楽器は早期教育が大切だと言われている。ヴァイオリンもそうかな。メカニカルなものを身につけるには、年齢があまり高くなってしまうと難しいところもあるのかもしれない。幼い頃からピアノのお稽古に励み、そして音大に合格・・・

でも、もしかしたらピアノの場合、演奏力のピークは音大卒業時だった・・・なんていう人も冗談ではなく結構いたりするのでは?

その点、声楽は音大卒業時なんて、まだまだ若すぎるくらいだ。声が成熟していくのは、もっと年齢を重ねてからだと思う。その反面、声楽の場合は身体そのものが楽器なので、加齢というものの影響をもろに受ける。そのあたりは、ピアノと比較すると厳しいよな・・・などと思う。

この齢になると思う。「枠」とか「常識」とか、そのようなものを取り払ってフリーになると、人間は幸せになるんじゃないかと。

あなたが声楽教師だと仮定する。もし、このような生徒が入門を希望してきたら、あなたはどうするだろう?

「私は77歳です。音楽の経験は全くありません。でもベルカントで歌いたくなってしまったのです。歌が好きになってしまったんです。こんな私でも教えて頂けますか?私も歌えるようになるでしょうか?」

「あのね、その年齢だと上達は難しいと思うわ。80歳近くになって声を作っていくなんて、それはありえない。無理だと思う。残念だけど・・・」

あるいは・・・

「歌がお好きなのね。素晴らしいわ。でも、もうすぐ80歳なんですよね?楽しみのために歌を歌えばいいんじゃないかしら?別にベルカント・・・なんて無理に思わなくても、たとえば、童謡とか歌謡曲とか、楽しみながら歌っていくという方法もあるんじゃないかしら?」

あるいは・・・

「上達したいんですね?ベルカントで歌いたいんですね?やってみましょう・・・」

「やってみましょう・・・」と言えるのは、やはり人間の能力とか、可能性というものを信じている人なのではないだろうかと思う。「枠組み」とか「経歴」とか、そのようなものに縛られていない人。

この動画の方は、77歳になって「ベルカントで歌いたい・・・」と声楽を習い始めた。

2年後、79歳でカンツォーネを舞台で歌っている。

ここまで歌えているのは、歌っている人が信じているからだ。焦がれているからだ。そして指導者も焦がれているからだ。だから信じられるのだ。

kaz



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category: The Singers

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