ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

愛の小径 1 

 

CとAという二人のピアニストと過ごしている時、僕のピアノも数曲聴いてもらったりしたのだが、僕が「アルフォンシーナと海」を弾き終わった時に、Aが言った。

「プーランクの愛の小径・・・弾いてみたら?」

「愛の小径」は、もともとは舞台女優であったイヴォンヌ・プランタンのために書かれた曲なので、シャンソン、歌曲の間にあるような中間的な位置づけにある曲なのではないかと思う。

ピアノのための即興曲集の中にも「エディット・ピアフに捧ぐ」というシャンソン風(というより、もろシャンソン?)の曲があり、あの曲は演奏される機会は多いような気がするが、「愛の小径」はピアノで弾くということを想定する時に、難しいところもあるような気がした。

おそらく、この曲はプーランクの曲の中で、最も通俗的な曲になるのではないだろうか?もともとが劇の中で歌われた曲でもあるし、クラシックの演奏会で「大真面目に」歌われることを想定した曲ではないのだと思う。でも最も通俗的であると同時に、プーランクのメロディーの中で、最も甘美で美しいメロディーの曲でもある。

「触れてみたい」と思った。この甘美な世界に触れてみたいと思った。旋律にも惹かれたが、「人生はすべてを消し去ってしまうものだけれど、僕はあなたとの愛の小径を決して忘れない・・・」という歌詞にも惹かれた。

あまりにも「愛の小径」は美メロディーの曲なので、ピアノで弾いている人もいるのは知っていて、ピアノ用の楽譜も存在しているのも知っていた。ただ、その楽譜はビジュアル的に購入しにくいものがあったし、編曲もシンプル・・・というか、事務的な感じがしたので、オリジナルの歌曲の楽譜を購入した。もちろん、歌とピアノの3段譜になるけれど、伴奏もメロディーを追っているので、そのまま伴奏を弾いても曲になる感じはした。

クラシックの歌手たちも「愛の小径」をクラシックの歌曲として歌っているが、多くの歌手は、この曲の持つ通俗性に戸惑っている感じがする。あまりにもサラサラと歌いすぎるのだ。形としてはシンプルな曲ではあると思うのだが、失なわれた愛、人生を振り返る・・・という甘美さがあまり感じられない。

ナタリー・シュトゥッツマンという歌手の歌唱は、その点をクリアしていて、彼女の歌唱は大好きだ。ただ何故かユーチューブには彼女の「愛の小径」はアップされていないようなので紹介することはできない。

イヴォンヌ・プランタンの歌唱も見事なもので、セピア色のパリが浮かんでくるような歌唱だ。でも、あくまでもクラシック作品として紹介したいとも思うので、ジェシー・ノーマンの歌唱を載せることにする。彼女はこの曲を録音しているし、とても好きな曲であったようで、演奏会のアンコールで盛んに歌った。クラシックの歌好きにこの曲が広く知られるようになったのは彼女の功績も大きいと思う。

とても濃厚な表現だと思う。なのでピアノで触れるのは難しいと思っていたのだ。

kaz



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