ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

「歌いたい・・・表現したい」その1 

 

「僕、ピアノを専門に習ったわけではないし、初見も得意じゃないし、素人だし・・・」

「なんで自分のことを素人なんて言うんだ?音楽があって音楽をしたいだけじゃだめなのか?そんなに素人だからなんて言うもんじゃないよ。いいじゃないか、音楽をしようよ・・・」

僕にそう言ったパウロ・・・

彼の事を書いてから彼についての反響(?)が大きかった。

「パウロさんてどのような方なんですか?」「パウロさんて素敵な方ですね・・・」「いい声してますね。どのような経歴なんですか?」「日本には来ることがあるのですか?」等々・・・

彼はポーランド系ブラジル人。ブラジルで生まれ育ち、そして両親の故郷でもあるポーランドでも長く暮らした。そしてアメリカに夢を求めてやってきた。

基本的には、彼はクラシックを学んできたので、ずっとクラシックの歌曲、そしてオペラを歌ってきた。ニューヨークで僕がパウロに初めて会った時、彼はメトのカバー歌手をしていた。カバー歌手は辛いものらしい。むろん、無償ということではないと思うが、本キャストが急病などで降板しない限りは決して舞台で歌うことはできない。劇場には待機して、出番を待つわけだ。

「もしかしたら今晩は自分が歌えるかもしれない・・・そして新しい才能と注目されるかもしれない・・・」

その一瞬を夢見て、待機する。でも歌えることはまずない・・・

「僕は歌うことしかできないからね。でもあの頃は辛かったんだ・・・」

僕に「なんで素人だからなんて言うんだ?」と言ったことはパウロは記憶にないらしい。

「でも、せっかく音楽をする機会、それは短い時間かもしれないし、本格的な演奏会ではないかもしれないけれど、僕にはその機会を拒否する人がいるということが信じられなかったんだと思う」とパウロは言う。

まずは自分は本番では歌えない。でも100分の1の確率でも歌うチャンスはあるかもしれない・・・

歌えない本番のために練習を重ね、体調を整え、ひたすら出番を待つ・・・

辛いのでは?

「辛いね。いくら歌が好きでもね。物凄く辛い・・・」



にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村


ピアノ ブログランキングへ
スポンサーサイト

category: The Singers

tb: --   cm: 0

△top

コメント

 

△top

コメントの投稿

 

Secret

△top