ピアノのある生活、ピアノと歩む人生

「ピアチェーレ」代表の私的ブログ

外壁攻め 

 

子どもの頃、ピアノを習っていたが、レッスンでは「弾けない子」だったと思う。僕の場合、レッスンでのピアノの他に、自宅で好きなように弾く「遊び弾き」「独学」の部分があった。おそらく、この独学の部分がなければ、ピアノは再開しようとは思わなかっただろうと思う。「ピアノ・・・習っていたけど大嫌いだった」と。

この「大嫌い・・・」の理由は、先生の威圧的な雰囲気というものもあったと思う。ではソフトな先生で、教材もソフト系というかキャッチ―系なものであれば、ピアノを楽しいと思えたのかは疑問ではある。

「30年もブランクがあって、なんでショパンやリストが弾けるの?子どもの時に相当進んでいたの?」この答えはイエスであり、ノーでもある。レッスンではバイエルを終了できずにピアノ教室は辞めている。よくあるパターンで、中学進学を理由にした。でも遊び弾きでは、ショパンやベートーヴェンのソナタなどは小学生でも弾いていた。たとえば、バイエルの80番台の生徒が、ショパンの即興曲やベートーヴェンの月光や悲愴を弾くということは、どこかバランスとしておかしいと普通は思うのだろう。僕も、この子ども時代の時に、ショパンをどのように弾いていたのかと想像すると、少々恥ずかしくなったりはする。

でも、30年後、ピアノを再開した時は、この「遊び弾き」の部分の延長であったとも言える。今現在だって、子どもの頃の遊び弾きの延長だと思っている。

「どのような練習をしているの?一日に8時間とか?」よく質問される。もちろん、僕だって練習はするけれど、そして独自の(自分では普通の練習方法だと思っているが)練習方法もあるが、ピアノと死闘しているわけではない。「何故ブランクがあって(それもバイエルで辞めていて)そんなに弾けるの?」の大きな要因だと自分で思うのは、最初から「ワーッと弾いている」からだと思う。つまり、外壁攻めのような練習は一切していないということだ。

外壁攻め・・・多くの人がこのアプローチで曲を仕上げていくようだ。まずは、楽譜を読んでいく。そして弾けるようになるまで、とにかく外壁攻めを行っていくやり方。練習会などで新曲を披露する時、「譜読みからまだ1か月なんです。まだ弾けてないんです」という状態の時、いかにも「譜読みが終わりました」のようトツトツと弾いていく。どこか表現というものを置いてきてしまっているような?弾きこんでいけば、暗譜もできて、それなりに表情やら表現もついてくるのだろうが、最初は「とにかく弾いています」という感じになる。

ワーッと弾き・・・とにかく細部は気にせずに、全体を仕上げてしまう。つまり、メカニカルな部分などは、後回し(練習はするけど)で、人前で披露するときには、ワーッと弾いてしまう。自分のイメージの通りに・・・

この場合は譜読み1か月の場合でも、「弾けるようになるまでトツトツと・・・」という感じにはならない。「まだ細部の仕上がりが雑かも?」のような演奏になる。

「バラ1・・・憧れの曲だわ・・・先生からやっとお許しが出たわ」と。そして練習する。まずは「弾けるようになるまで」と外壁攻めのような練習をするのが一般的なのかもしれない。でも、この方法だと「弾けるようになるまで」に数か月はかかるのではないだろうか?そして「いかにも音符を弾けるようになりました」の状態で、「さあ、これからいろいろと表情をつけていきましょう」となる?

でもこの外壁攻め練習の場合、「本当に自分の欲するもの」「触れたい何か」という曲に隠れて(?)存在している部分が犠牲になることもあるのではないだろうかと思う。いつのまにか「表現したい」「触れたい」というよりは、「課題をこなしたい」というようなものにすり替わってしまう危険性もあるのではないかと・・・

ピアノを弾く理由、曲を弾く理由、動機としては、曲に内在する何かに感動し、そして触れたいと思い、さらに伝えたいというか、その感動を他者にタッチしたいというか、そのような動機がそもそも存在しているのが普通なのではないかと思う。それがないと、曲を仕上げていくという「達成感」というもの、難しい楽譜を音にできた・・・という達成感の繰り返しがピアノを弾くということになっていってしまうのでは?

多くの子どもがピアノを辞めてしまう要因は、いろいろとあるのだろうけれど、この「外壁攻め」のような練習、アプローチの連続ばかりがピアノを弾くこと、レッスン・・・ということにも一因があるのではないだろうか?この外壁攻めの段階は、どこか「できるようになるまで耐え忍ぶ」のような部分でもあるのでは?

「このパッセージがまだ弾けないんですっ!」「この部分がまだ弾けないんですっ!」

この場合、コツコツと外壁攻めばかりしていると「パッセージ攻略」のようなものが目的のような、そこが到達点のような錯覚を持ってしまう危険性もあるように思う。

子どもの頃からの「ワーッと弾き」、そして現在もその延長というピアノ・・・

そのピアノとは?

実は29日のピアチェーレの演奏会の宣伝の目的でこの文章を書きはじめたのが、全く異なる方向に行ってしまった。異端である「ワーッと弾き」を聴いてみたい方は、ぜひお越しください。まだ若干お席に余裕があるようです。詳しくは、このブログにリンクしてある「ピアチェーレ」のページをご覧ください。本当は、ここを言いたかった・・・

kaz

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村


ピアノ ブログランキングへ

スポンサーサイト

category: ピアノ雑感

tb: --   cm: 0

△top

コメント

 

△top

コメントの投稿

 

Secret

△top